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恋愛心理学:受け入れと拒否の脳活動
営業は恋愛と似ているという言葉がありますが、どちらのほうも相手のリアクションに一喜一憂するという点では共通点があります。
今回取り上げる論文は異性から拒否されるときと受け入れられるときで脳活動がどのような違いがあるかについて調べたものです。
この研究では、健康な成人男女を対象に、好みのタイプの異性に告白し、その反応(受け入れ、拒否、中立)を受けた際の脳活動をfMRIで測定しました。
その結果、告白が受け入れられた場合も拒否された場合も、中立的な反応と比べて、腹外側前頭前野と前部島皮質の活動が高まることが明らかになりました。
腹外側前頭前野(下図:BA44, 45, 47)は感情と行動の調整に関わる脳領域です。例えば、職場で怒りを抑えたり、振られた時に平静を装ったりする際に働きます。また、この領域はミラーニューロンネットワークの一部であり、相手の感情を理解する役割も担っています。
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一方、前部島皮質は苦しみや喜びなどの主観的な感情全般に関与しています。
つまり、告白に対する相手の反応が肯定的であれ否定的であれ、自分の置かれた状況や感情を理解し、適切な行動をとるために、腹外側前頭前野と前部島皮質が活性化されているのです。
この研究は、社会的な場面での脳の適応メカニズムの一端を明らかにしたと言えるでしょう。