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宗教的寛容性に関わる要素とは?

「誰か尊敬する人はいますか?」と聞かれれば、多分、エラスムスと答えるだろう。宗教戦争真っ只中のオランダに生きた人で、ローマ教皇を批判しつつも、ルターの行き過ぎた行動にも難癖をつけた人である。人文主義者として知られ、自分の頭で考える美しさを私に伝えてくれた人でもある。

信念の違い、とりわけ宗教に関係する争いでは人はしばしば不寛容になるが、どのような性格の人はエラスムスのように穏やかでいられるのだろうか。今回取り上げる論文は、宗教的寛容性に影響する要因について調べたものである。

宗教的な人々の間で宗教的寛容がどのようにして現れるのか: 知的謙虚さ、認知的柔軟性、特性の攻撃性の役割に関する研究
How religious tolerance can emerge among religious people: An investigation on the roles of intellectual humility, cognitive flexibility, and trait aggressiveness

この研究ではインドネシアのイスラム教徒の若者を対象にアンケートを行い、宗教的寛容性と心理的傾向の関係について調べている。

結果としては、以下のことが示されています。

・知的謙虚さ(自分の知識に限界を自覚している傾向)がある場合は宗教的寛容性が高い。
・認知的柔軟性(様々なものの見方ができる能力)が高い人も宗教的寛容性が高い。
・攻撃性が低い人は、認知的柔軟性の宗教的寛容性に与える影響がより強い。
・攻撃性が高い人は知的謙虚さが宗教的寛容性に与える影響がより強い。

Q: 憎しみの本質とはなにか?

明日読む論文

悪の心理学に関するシチュアシオニストの視点: 善良な人々がどのようにして加害者に変わっていくのかを理解する

A situationist perspective on the psychology of evil: Understanding how good people are transformed into perpetrators

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