
性衝動の強さは遺伝or環境?
人間遺伝でどこまで決まるかというと、これはなかなか難しいらしい。植物であれば土地との相性で実り方も違ってくるが、人間も遺伝と環境の掛け合わせで、いろんな性質が強くなったり弱くなったりするらしい。
それでいくと性衝動の強さというのはどこまで遺伝で説明できるのだろうか?
今回取り上げる論文は、性衝動亢進/抑制が遺伝によってどの程度影響されるかについて調べたもの。
Genetic and environmental effects on sexual excitation and sexual inhibition in men.
男性の性的興奮と性的抑制に対する遺伝的および環境的影響
この研究ではフィンランドの中年双子男性を対象に、性的抑制 (SIS) および性的興奮 (SES) スケールを用いて調査している。
ちなみにこの評価尺度は性的衝動の強くなりやすさと、弱くなりやすさの両方を調べている。どうも血糖値と一緒で、強くなりやすさと弱くなりやすさは、それぞれ別立てで調整されているらしいのだ。
この研究の結果を示すと
・性的衝動の抑制機能は中等度に遺伝の影響を受ける。
・性的衝動の亢進機能は遺伝の影響を受けない。
・性的衝動の亢進機能は非共有環境(家の外でそれぞれどのような環境で過ごしたか)に影響される。
とのこと。性的衝動の亢進というのが、環境学習というのもなんだか不思議な気がするが。
Q: 性的衝動の亢進にはテストステロン、もしくはバソプレシンに関わる遺伝的要因が関わっているんじゃないだろうか?
明日目を通す論文:
Genetic influences on adolescent sexual behavior: Why genes matter for environmentally oriented researchers.
思春期の性行動に対する遺伝的影響:環境志向の研究者にとって遺伝子が重要な理由。