所得格差の増大は経済成長を加速させる?
不平等と GDP 成長の関係: 実証的アプローチ
The relationship between inequality and GDP growth: An empirical approach
幸せな人生を送りたいと常々思っている。
そのため不毛な競争や不毛な比較からはできるだけ距離を置くようにして生きているが、一般に所得格差というのは、国家運営に対してどんな影響があるんだろうか?
今回取り上げる研究は所得格差と経済成長の関係について調べたもの。
対象となったデータはOCSE諸国(※)の1971年から2010年までのデータ。
(※)欧州安全保障協力機構(OSCE:Organization for Security and Co-operation in Europe)は、欧州、中央アジア、北米の57か国から成る世界最大の地域安全保障機構
ジニ係数などを用いて国内の不平等がその後の経済成長に与える影響について調べている。
結果を示すと
・国内の不平等が1%増加した後、その後10年間の経済成長率が比例以上に増加する。
・しかしこの関係は逆U字型のような非線形的変化を示す可能性もある。
とのこと。
平たく言えば、国内の所得格差が広がれば広がるほど、その後10年の経済成長は通常よりも高くなる方へ進むということなんだろう。
Q:比較的所得格差が少なさそうな北欧諸国だと所得格差と経済成長はどんな感じになっているんだろう?
明日目を通す論文:
福祉国家体制がヨーロッパ全体で主観的な幸福をどのように形成しているか
How Welfare-State Regimes Shape Subjective Well-Being Across Europe