小児期の性的不適合と生涯における性交経験の関係
性的指向、性別の不適合、および女性の双子のセックスパートナーの数に共通する遺伝的要因:同性愛の進化への影響
同性愛の生理学的メカニズムについての研究を色々と読み込んでいる。
男性についてはいろいろと実証的な研究もあるが女性についてはなかなか少ない。そんな中でこの論文を読む。
同性愛というのは一見進化の大原則に見合わないように思える。というのも進化論の原則はいかに自分の遺伝子を拡散するかだからだ。平たく言えば産めよ増やせよというのが進化論の大原則であり、進化心理学ではその観点から様々な人間の行動も考察される。
こういった観点からは同性愛というのは、どうしても進化論のスタンスと一致しないのだけれどもヒトだけではなく他の動物でもあるようで、そこに興味を持って読み込んでいる。
さて、この論文の内容だが、一言でいえば、同性愛傾向は子孫を増やす傾向に関係しているというものである。
この研究では448組の女性双生児ペア996名を対象に、
・小児期の性不適合経験(男の子のように遊んだ、女の服が嫌いだったなど)
・生涯の異性との性交渉人数
などを聞き取り、その関係性について調べている。
結果を示すと、小児期に性的不適合経験のあるものほど、生涯での性交渉人数が増えることを示しており、これは女性の同性愛傾向を示す遺伝子の根底には、繁殖性の高さにつながる要因が含まれることを意味しているのでは、と論じられている。
Q: 小児期の性的不適合とは、本当に同性愛傾向の指標になるのか?
明日目を通す論文:
性的指向と子供の性別の不適合:ホームビデオからの証拠