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仕事を辞めるのはアイデンティティが満たされないから?

昔と比べて転職離職が一般的になっているが、人はなぜ仕事を辞めるのだろうか。

ある研究では、離職はアイデンティティと関連しているという。

アイデンティティは何かというのは難しい問題だが、その研究はアイデンティティを、目的、表現、差別化、軌跡、受容、関係性の要素で説明している。

目的というのは、最近よく聞くパーパスである。人生の目的というべきものが仕事で満たされなければ人は仕事をやめたくなる。

表現というのは、自己表現のことである。仕事は自分の能力や資質を表現するには最適な場である。しかし、それが満たされなければやはりやめたくなる。

差別化とは、自分は人と違うという感覚だ。十把一絡げのように扱われる会社では、人によってはやめたくなるのだろう。

軌跡は、過去から未来に向かって自分が変化しているという感覚で、何年立っても成長が感じられなければモチベーションも下がる。

受容は、自己受容のことで、これは自分が商品のように扱われることで損なわれるという。

そして関係性は人とのつながりである。仕事でこの感覚が得られなくても、やはりやめたくなるという。例えば仕事で家族と過ごす時間がなくなるとこの感覚は満たされない。

とはいえ、なにか一つ嫌なことがあってすぐに辞めるというわけではない。何度か上記の不満に対処しようとして、それでも解決されない時に人は職場を離れるのだと。

私自身は個人事業主なので、辞めるもとどまるもないのだが、アイデンティティの確立という面では、よい働き方かもしれない。

自分らしく生きるというのは、制約条件が意外と多く、簡単ではないのかもしれない。

【参考文献】
Rothausen, T. J., Henderson, K. E., Arnold, J. K., & Malshe, A. (2017). Should I stay or should I go? Identity and well-being in sensemaking about retention and turnover. Journal of Management, 43(7), 2357–2385. https://doi.org/10.1177/0149206315569312



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