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消費者欲求とデフォルトモードネットワーク
商売に関わる人であれば、消費者の心を知りたいと思わない人はいないだろう。いくつかの研究から脳活動で消費者の購買意欲を予測できることが報告されている。
脳の中にはデフォルトモードネットワークと呼ばれる自己意識に関わる部分がある。
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脳の大きさはおおよそ握りこぶし2つ分と言われている。あなたの両手を握って、その拳を合わせてみよう。それがあなたの大体の脳の大きさであり、スリ合わさっている部分が、表面から見えない脳の内側になる。
デフォルトモードネットワークは主にこの内側にあり、腹内側前頭前野はその一部を構成している。
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ニューロマーケティング研究では、しばしばこの領域を見れば消費者の購買意欲が分かるとしている報告が多い。
この領域は、外部の情報(商品の見た目や音、匂い)と内部の情報(ドキドキ感や昔の記憶)を統合する働きがある。
そのため、何かをほしいと思ったときにはこの領域の活動が変化するのだ。ほしいと思えば、この領域はホルモン分泌に関わる脳領域や、行動計画に関わる脳領域に働きかけ、モチベーションのエンジンをかけることになる。その意味で、腹内側前頭前野の活動は消費者の購入意欲の代替指標になりうるのだ。
とはいえ、ニューロマーケティングは手間もお金もかかり、費用対効果という面では微妙でもある。そのため、ニューロマーケティングを行うのは、予算の大きい効果の予測や、商品開発の初期段階が好ましいのではと言われている。これらの使い方であれば、それなりにテコが効くのでニューロマーケティング費用を回収できる確率が高いからだ。
まあ、なんにしろ人間の心を覗くのは難しい。そう簡単に覗かれても困るので、難しいくらいがちょうどよいかもしれない。欲望は秘しておきたいものである。
【参考文献】
Raichle M. E. (2015). The brain's default mode network. Annual review of neuroscience, 38, 433–447. https://doi.org/10.1146/annurev-neuro-071013-014030