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映画の中のメモ帳「キル・ビル」エル・ドライバーのリングノート

映画「キル・ビル」(2003-2004年クエンティン・タランティーノ監督)で、ダリル・ハンナ演じるエル・ドライバーが持ち歩いていた小さなリングノートをおぼえているだろうか?そうそう、「ブレードランナー」(1982年)では美しく恐ろしいレプリカントを(=椎名林檎の「罪と罰」ではない)、「スプラッシュ」(1984年)ではトム・ハンクスが恋に落ちる人魚を演じたダリル・ハンナである(=日本語吹き替えを美保純が務めた)。一転、キル・ビルではアイパッチと日本刀がトレードマークの冷酷非道な暗殺者だが、気になったことをメモ帳に書き記しておき、必要なときにページをめくり死に行く者へ読み聞かせてくれるという知的な一面を見せる。

リングノートの大きさは、おそらく手のひらサイズのA7だろう。100均の文具コーナーには同サイズの様々なリングノートがある。片手で縦開きに開き、立ったままメモを見返したり、書き込んだりするのに最適なメモ帳である。

小さく、胸ポケットに収まるA7リングノートは、たくさんのメモを保管しておくというより、いついかなる時も素早くメモを取れる機動性、俊敏性を最優先に考えられている。暗殺者にもピッタリなメモ帳なのである。

艶やかな黄色い表紙のメモパッドで世界的に知られるロディアをはじめ、国内メーカーも揃ってA7サイズのコンパクトな、それでいて高品質なメモ帳を販売している。そのほとんどが方眼紙でミシン目切り取り線入りのタイプ。カッターナイフなどを使わずに手できれいに切り取ることができる。そのため保存性という観点では劣るが、より手軽に便利に使うことができる。

エル・ドライバーが映画の中で持っていたリングノートは、メモを残しておくことにも重きを置いていたのであろうからか、ミシン目が入っていないタイプだった。

劇中、エル・ドライバーがジャケットの内ポケットから取り出して読み上げ始めたリングノートのメモ。

私はキル・ビル(vol.2)をみた後、相当長い間だが、A7メモを取り出すといつもクールで知的な暗殺者、エル・ドライバーを思い出して仕方がなかった。映画公開当時使っていたのはM5サイズの小さなシステム手帳だったが、その後、モレスキンの縦型「リポーター」に切り替えたのは、持ち歩いて立ったままメモするのに最適だからであるのと、少なからずエル・ドライバーのイメージが抜け切っていなかったからでもあった。なんとも映画に影響を受けやすい筆者である。

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