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24年もののG-SHOCK ベゼルと電池交換で新品同様に

職場で、思いの外ハードな力仕事を連日にわたりこなすことになった8月下旬のこと、「こんな時こそG-SHOCKの出番だぜ!」とばかりに着けていた愛用G-SHOCK DW5600の顔ともいえるベゼルが、ふと気が付くと、ちぎれて折れ曲がり皮一枚で本体にくっついてプラプラしていた。

ベゼルがちぎれる前、ありし日の愛用G-SHOCK(いや、今もあるが)。最もスタンダードなDW5600シリーズである。

力仕事の最中、どこかにぶつけたらしい。とほほ...ショックである。ポリウレタン製のベゼルはあくまで時計本体を守る外装部品であり消耗品。傷がついたり加水分解によって劣化したりするのは仕方のないことだが、急にこの時が来るとは思いもしなかった。

予期せぬ出来事に気付いた瞬間、私の脳内では→「ベゼルパーツの単品注文は昔と比べて価格が安くなっている見込はない!むしろ高騰しているはず!時計店に注文を入れれば1カ月はゆうにかかる上、最悪の場合、対応そのものを断られる恐れあり!さすればいかに!」と、ここまで約1秒である。

若干の不安がよぎったのも私のG-SHOCK、新品で購入した時から24年が経過したオールドG。電池交換はもちろんのこと、ベゼルやバンド交換はそれぞれ3回を超える歴戦の勇者である。白黒反転液晶パネルの色は怪しく薄くなり、既にモジュール交換が必要な状態だが、残念ながらメーカーではパーツの保存年限をゆうに超えていて修理対応は不可。

前回かろうじてメーカー送りで防水検査までしてもらったが、あれから既に5年もの年月が過ぎていた。加水分解は既に始まっている頃だが、もう少しもたせる予定だった。

悩んでも仕方ないので純正品を即ネット注文。ほんの小さな樹脂部品に3,280円、手痛い出費である。注文の品はわずか2日で自宅着、ベゼルのついでにチャチャっと裏蓋を開け電池交換もして、私のG-SHOCKはいともたやすく新品同様に生まれ変わったのだった(パッキンのシリコン塗布を省略)。

電池はチプカシF91Wなどと同じCR2016が内蔵されている。つまり100均で手に入る。

DW5600シリーズが世界中で完全にスタンダードな品物になってくれたおかげで、発売から長い年月がたってもまだ対応する交換部品が容易に手に入るのはありがたい。G-SHOCKの他のモデルの多くは、発売当時は希少価値がないベーシックな普及モデルであっても、廃版となった後、交換パーツ保存年限の概ね10年以降はすべてが限定モデルのようなもので、交換部品がほとんど手に入らないのだ。 

ベゼル、ELバックライトが新品同様に生まれ変わったG-SHOCK(え?上の画像と同じじゃないか?違うよ、ベゼルのエッジが立っているから、ほら)

ベゼルは新品交換できたが、さて次に加水分解を生じるはずはバンドである。こちらも3,000円相当のパーツ。近い将来確実に交換時期が来る。いまや新品購入時の価格よりはるかに多くの金額を交換部品にあてている。

新品をとっくに買いなおせる金額で部品交換してもなお古い時計を使い続けているのは、ひとえに思い出がこもった物だからに他ならない。

大学生時代に一人で暮らした街の百貨店、1階片隅の時計店で対応してくれたお姉さんのことや、ジリジリと焼けるような夏の日、この時計をつけて漕いだマウンテンバイクのこと、転居を控えて住み慣れたその街での生活が残りわずかとなりつつある寂しさ、当時の風景や心象がこの時計をつけていると脳裏によみがえる。

この時計のほかに買ったいくつかのG-SHOCKは、ソーラーセルが故障したり、電池交換しても動かなかったり、あるいは加水分解でボロボロに崩れたり。二度と会えそうにない友人にゆずったものもある(いや、実際にはその後しばらくして一度会ったのだが)。手元に残ったG-SHOCKは唯一、現在はこれだけである。

考えてみれば、子どもたちの年齢より私のG-SHOCKはずっと年上である。G-SHOCKに敬意を払い「G-SHOCK先輩」、いやそれ言うならむしろ「ジジイショック先輩」じゃないか。

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