便利なradikoじゃもの足りない?ラジオの楽しみ方
ラジオが好きーという人って意外と多いのではないだろうか。スマホならラジオを聞くのにradikoアプリがとても便利で、音声がクリアに聞けるのはもちろん、放送エリア圏外でも、放送時間をさかのぼっても聞けるので、ラジオしかなかった頃と比べるとラジオの楽しみ方が大幅に拡大した。
それでも、時にはやっぱりラジオから流れる、その時間に限り流れる音声を聞きたくなってラジオをつけてみることがある。チューニングのつまみを触り、音声が入るか入らないか、耳をそばだて探りさぐり電波をつかまえようとする時間はradikoでは味わえない楽しみである。ラジオ好きなら、そんなラジオの独特の作法も含めて楽しんでいるに違いない。
フジテレビ系列で90年代の中ごろに内田有紀主演のドラマ「17才」が放映された(『17才 -at seventeen-』1994年)。trfが主題歌を唄った青春ドラマである(「Survival dAnce 〜no no cry more〜」)。そのなかでバンダナがトレードマークのやんちゃ系男子、山本太郎扮する登場人物の宝物が小さなポケットラジオだった。ラジオの醍醐味は長い伸縮アンテナをシュシュシュと伸ばして使うところだが、ドラマに登場したラジオもアンテナを長く伸ばして使うタイプだった。
ラジオの大きさについて、各メーカーのサイズ展開としては、①名刺サイズ②ポケットサイズ(トップ写真は手持ちの2017年製SONYのポケットラジオ)③据置型兼ポータブルサイズの3種類程度に大別できる。
名刺サイズは胸ポケットに入る大きさで厚みも1センチ程度、FMアンテナにイヤホンケーブルを流用する。ポケットサイズはかろうじてポケットに入る大きさで、FMアンテナは伸縮性のタイプが本体背面側に付属する。据置型兼ポータブルサイズは小さなバッグ程度の大きさで、電池とAC電源ケーブルどちらからも電力供給できる。災害時の緊急放送などに対応するものが多く、アンテナを物理的に長くできるため比較的高感度なモデルが多い。
もちろんこれら3種類の他にも様々な大きさやバリエーションが存在する。カーステレオ内蔵のラジオは代表的で、ラジオは車でしか聞く機会がないドライバーも多い。
ラジオ局は、実は個人でも開局できる。ミニFM局である。一定の条件はあるが、届出や登録など面倒そうな手続きは一切不要で、機材さえあればすぐに開局できる。
何を隠そう、私は中学生の頃にお小遣いをはたき、電気屋でワイヤレスマイクを購入した挙句、ミニFM局の真似事をしたことがある。マイクは周波数を調整できて、FMラジオで周波数を拾えば、ラジカセを拡声器として利用できるばかりか、簡易ラジオ局として、ワイヤレスマイクから発信される電波が届く範囲の人なら誰でもラジオから音声を聞くことができるのだ。振り返ると、なんとも痛い!自ら傷口に塩をすり込むように記憶を掘り返してしまった。
しかし、時は移り変わり、現代ではPodcastや YouTubeなど、誰でも簡単にラジオDJやニュースキャスターになれてしまう便利なツールとチャネルがいたるところにある。今さらミニFM局?という感じがしなくもないが、一周まわってラジオでしか聞けない限定性がむしろ味わい深いと思えなくもない。課題は予算や収益性で、継続するには越えていかねばならない困難なハードルがつきまとう。ただ、災害時にラジオをつけて、そんなミニFM局の存在が誰かの助けになることもあり得るのではないだろうか、と考えたりしている。