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万年筆試し書き専用ミニノート

手当たり次第とにかく手近にある万年筆で何か書きたい、試し書きしたい、殴り書きしたい衝動にかられることは誰にでもあるはず。私には、そんな衝動にかられた時だけに使っている専用のノートがある。

スバルのディーラーでもらえたオリジナルノート

それがこのノート。スバルのディーラーでもらったノベルティグッズの一つ、2017年のカレンダー付きオリジナルミニノート(非売品)である。文庫本より少し大きなポケットサイズ、巻頭には2017年のカレンダーとともに様々なスバル車のフルカラー写真が美しく印刷されていて、それ以外のページは全て方眼紙となっている。

ノートの中身は方眼紙。スバル360(プレミアムトミカ)とともに

マニアックなコレクターをねらってメルカリで販売されているのを見かけるが、無料で配布されるこういったノベルティグッズはディーラー店頭で予告なく登場し、手に入れられるのは時の運、よほど営業マンと懇意にしているか、頻繁にディーラー試乗に出かけるか、晴れて車をご成約していないと入手は難しいため、ある意味とても貴重なグッズといえる。私の場合は、その当時たまたまディーラーで車を購入する機会と重なり、運良くもらうことができた。

紙面を真っ黒に染める万年筆の試し書き
試し書きだけのページが数十ページに及ぶ

あいうえおかきくけこさしすせそたちつてとABCDEFGHIJKLMN12345678910...上がその試し書きである。こういった万年筆の試し書きだけが既に数十ページにわたり続き、紙面を真っ黒に染め上げている。

カリカリカリカリ、シャシャシャシャと紙面を塗り潰すほど試し書きをしている時、私はまったく無心である。無我の境地。ひたすらに指先を動かして書き付けるのは、ほとんど意味のない文字や線、模様である。言葉を書いているが意味を込めて書いているのではない。ただペン先が走る音を楽しみ、インクが染み出し跡になって残っていく様子を観察しているうちに、いつしか模様が出来上がっている。できた模様は、そして全てのページで異なり、後で見返してみると何かしらの景色にも見えてくるから楽しい。

試し書きに没頭できるのは、何よりこのノートの書き心地が全てにおいてちょうどよく、すばらしいためである。偶然手に入れたノートのわりに、インクの裏抜けがなく、にじむこともない。ペン先がひっかかったり、すべり過ぎたりすることもなく、製本は糸で綴じられていて、しっかりとしているのがよい。水濡れにも強く、たっぷりのインクや水に浸しても、乾いた後に表面に生じる凹凸が少ない。残念ながらメーカー名はどこにも記載がなく不明だが、もし市販品で同じノートがあれば購入してストックしておきたいくらいである。

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