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チョロQの世界が熱い!80年代こどもだった大人に向けたアイテムの現在

いま、「チョロQ」の世界が熱い!─なんて、大げさすぎ〜〜って?いや、そんなことはない。私も含めて大きな子どもたち、そして今まさに本当に子ども時代まっただ中の方々には、ぜひタカラトミーのWEBサイトを覗いていただきたい。

堂々前面にチョロQである。注目すべきは展開中の商品群「大人向けチョロQ」として発売中の「チョロQzero(ゼロ)」シリーズ。これはすごい。かつてのHG(ハイグレード)チョロQを彷彿とさせる一連の商品群は、往年の名車がずらりラインナップされているのはもちろんのこと、細部がステッカーでなく複数色を使った塗装で表現されていて、開発陣の熱いこだわりを感じる。続々と新発売されているようで、今現在2024年12月にも新商品が追加されているのだ。

写真は手持ちのチョロQたち。私が最後にチョロQを買ったのは2004年頃にさかのぼる。
2004年当時の価格は税込367円!今では考えられない価格が懐かしい。

タカラトミー社と私は一切、利害関係はないが、チョロQとともに育ったといって過言ではない我々の小学生時代、「クル消し」※と人気を二分する玩具であったタカラ社の「チョロQ」が、この現代日本においても脈々とその歴史を後世へとつなぎ、ラインナップを広げ続けているとは。

※ 「クル消し」…車の消しゴムの略。様々な車の形をかたどった大きさ約3cmの塩ビ製玩具で、三菱のノック式ボールペン「BOXY100」や、小さなバネを仕込んだ専用発射台を用い車をはじいて遊んだ。「キン肉マン消しゴム」同様、実際には鉛筆の文字を消すには全く不向きだった。学校に持ってきてはダメな物の一つ。

チョロQといえば、コロコロコミックの人気連載漫画「ゼロヨンQ太」とマグナム号を思い起こす人も多いだろう。ラジコンとのレースでみごと勝利をおさめる荒唐無稽なエピソードが懐かしい。

2003年製チョロQの車体裏側に1980年発売され、チョロQロゴ使用についてなどの著作権を示す©️表示が読み取れる。

1980年に誕生したプルバックゼンマイ式ミニカー「チョロQ」は、長く希望小売価格350円を推移しながらも、一度2009年に販売終了、約30年におよぶ歴史に幕を閉じている。会社合併を経て2011年に復活を果たした。と、同時に生まれた「zero」シリーズは原点に立ち戻り、さらに進化させたいという意味が込められているらしい。

私が最後にチョロを買ったのは、すっかり大人になってからである。時は2004年頃。既に社会人であったが、郊外の大型スーパーへ買い物に行くと、ついつい玩具売り場に足を運んでしまう癖があった。(子ども時代に玩具を与えてもらえなかった反動であるーということにしておこう)新商品の玩具を眺めるためである。そしてその癖は今でも全く抜けていない。最新トミカがずらり並ぶ隣、しっかりとチョロQ製品群が棚を陣取っていた。

チョロQの背にコインを挟みウイリー走行させる。大人なので、5円や10円でなく贅沢にも100円玉を使用。

クオリティの高いカプセルトイが出回り始めた頃だった。わずか数百円、昔のままの価格で、しかもクオリティを落とすどころかさらに高めた新作チョロQの姿があった。私はたまらず一つその場で購入した。子どもの頃に遊んだチョロQは、ずっと実家の本棚の上の箱に大切に保管していたが、家族に整理されてしまっていた。遊びを忘れた大人の私には無用の物だった。しかし、玩具売り場でチョロQを見つけた私は自分のために買わずにいられなかったのだ。写真はその当時買ったチョロQたち。ゼンマイが劣化し切れたり、タイヤが朽ちたりすることもなく、今も勢いよく走らせることができる。

残念ながら現代のチョロQzeroは、もはや子ども向けの価格ではない。一つ税込3,000円以上という価格は(中には3,850円のモデルも!)、80年代以降の大人たちに向けたプレミアムな商品であることを明確に打ち出している。当時を懐かしがって購入した大人が次世代の子どもたちにプレゼントするものとしても、ゼンマイ式の玩具にしてはやや高過ぎる価格設定だろう。コレクターズアイテムとなったチョロQが、昔のように地面に這いつくばるようにして子どもたちの手で遊ばれることは、もはやないかもしれない。それでも、いつか80年代に子どもだった大人たちが、ガラスケースに飾ったプレミアムなチョロQを惜しげもなく孫の手に手渡して遊ばせる時が来るだろう。チョロQが本当に玩具として息を吹き返し、大人も子どもも夢中になって、チョロQを追いかけ回す日が来るはずだ。

ーと、いやいや、そんな先まで待てないでしょ。今すぐ棚のチョロQたちを解放して子どもと一緒に遊ぶべきだよ。

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