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掌の上で首を振る「仙台創作張子」の可愛さの源は、ふたつの伝統工芸品の特徴をアレンジした柔軟な発想力かもしれない。

こんにちは紅猫堂です。

そろそろ来年のカレンダーが出回る季節になりました。
以前ほど年賀状に固執することも無くなりましたが、年末に向けて何となく気ぜわしい日が続きます。そしてたまに話題にのぼるのが「来年の干支って何だっけ」。自分が年男・年女だと尚更気になるものです。
今年が辰年(龍)でしたから、来年は巳年(蛇)ですね。

前振りが長くなりました。
要は干支がらみの工芸品を紹介したかったんです。


「仙台張子(せんだいはりこ)」「堤人形(つつみにんぎょう)」という仙台の工芸品をご存知でしょうか。
青いだるまと呼ばれる「松川だるま」も「仙台張子」のひとつです。よく「だるま」と「張り子」を別物と捉えられがちですが、大きな括りでいうとどちらも「仙台張子」になります。

「仙台張子」
天保年間(1830~1844年)伊達藩の松川豊之進という方が創始したと伝えられています。庶民の心の拠り所になるようにという願いを込め、下級武士の手内職で作られました。松川だるまには2種類ありまして「大黒様(だいこくさま)」は割と安価で手に入りやすく、反対に「宝船(たからぶね)は眉は本毛、目にはガラス玉、腹部には福の神や宝船などを描いた豪華な仕立で値段もそれなりになっています。昔から正月の縁起物として人気があり、今もなかなか手に入りません。現在は仙台市内の住宅地で「本郷豊之進」の10代目の子孫の方が「本郷だるま店」の工房で伝統を守り続けています。

「松川だるま」に特化した工房。大崎八幡宮にも納めている

「堤人形」
300年ほど前に仙台城下の一番北に住んでいた足軽武士の内職で作られた土人形です。(いまも「堤町」という地名は残っています)近所から焼き物に良い土が採れたため、生活に欠かせない食器などを内職でつくり、足軽武士の家計の助けにしていました。その後、盛んに作られた浮世絵風の人形で知名度が一気に上がります。ちょっとした手の角度や腰つき、眉の形やえくぼなどで、人気役者の浮世絵を見事に表現した人形は今でいう「推しのアクスタ」だったのかもしれません。鯛猫や招き猫のようなネコ雑貨やミニチュアが流行るのも、今とあまり変わらない気がします。

堤人形は土人形がメイン、鮮やかな色彩とユーモラスな表情が特徴

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