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【なぜ幸せになれないのか】

すべての人は苦をいとい、幸せを求めて生きています。
これに異論を唱える人はいないでしょう。

そこで、私たちは、さまざまなものを求めます。
お金や財産、地位や名誉、すてきなパートナー、子供、マイホームなどです。
これらのものが無いから幸せになれないのだと思い、時には他人と争ってまで、必死になって求めます。

ところがどうでしょう。
私たちが羨望するような、お金もあり、地位や名誉もあるような人は、本当に幸せなのでしょうか。

あのイギリスのダイアナ妃は、なんと、5回も自殺未遂に及んだといわれています。
お金もあり、地位や名誉もあり、容姿端麗で、みんなから羨まれるようなダイアナ妃ですが、どうやら幸せではなかったようです。

大阪城や聚楽第を建て、栄耀栄華を極めた、あの豊臣秀吉の辞世の句は、
「露とおち 露と消えにし 我が身かな 難波のことも 夢のまた夢」でした。
あれだけのことを成し遂げ、贅の限りを尽くし、持っている人の代表のような秀吉ですが、風呂や便所にも隠し堀をほって、いつでも敵の襲撃に備えていたそうです。
一番安心できるようなところにいる時も、不安におびえていたような人が、果たして幸せな人と言えるでしょうか。

仏教ではこれを「有無同然」といいます。
有っても無くても苦しみは変わらないということです。

お金が無い人はお金が無いことで苦しみ、お金が有る人は維持や管理で苦しみます。
地位や名誉が無い人は無いことで苦しみ、地位や名誉が有る人は重いプレッシャーがのしかかり苦しむのです。

なので、これらのものが無いことが苦しみの原因ではないのです。

仏教では、苦しみの根本原因は「後生暗い心」であると教えられます。
「後生暗い心」とは「死んだらどうなるか、わからない心」です。

確実な未来がどうなっているのか分かりませんから、何を手に入れても心の底から満足できず、不安なのです。

この「後生暗い心」を破り、「本当の幸せ」になる道を教えられているのが仏教なのです。

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