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音色切替スイッチのはなし③左手ベース側スイッチを有効活用する

スイッチ使い分けの面白さ

スイッチの切り替えはアコーディオンを始めたばかりの時は少し難しい操作かと思います。アコーディオンのスイッチは鍵盤側についているので、構えた状態では角度的に目視確認が難しいのです。(胸当て側にスイッチが付いている機種もありますが、やはり位置の確認は必要な準備です。)

特に曲中にスイッチを切り替えることは少し難しいので、正しいスイッチをどのタイミングで押すかの練習は、運指や曲の練習と共にする必要があります。

ミュゼットの曲中でスイッチを切り替えてみる

アコーディオンを演奏する者が一度は必ず通るであろう道、そのひとつが「ミュゼット」というワルツ音楽です。ミュゼットは、1曲が3部構成になっているので、最初をMM、中間部(トリオ)をMLなどと使い分けると効果的です。

まずは曲の切れ目でスイッチを替えてみることに挑戦してみてください。楽譜にスイッチの指定がある場合は是非、その通りに従って演奏してみてください。

ベース(左手側)のスイッチ

中型~大型機種には、左手ベース部にもスイッチが付いています。

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こちらも右手鍵盤部と同じように、どのリードを鳴らすかを選択するために設置されたスイッチになります。ベース側のスイッチは右手側に比べてしょっちゅう替えることはないですが、もちろん意味はあります。

音色の選択のため

高い音域がカットされたスイッチ、低音カットされたスイッチ、中音域がカットされたスイッチなど機種によって設置される種類と組合せはさまざまです。音を出してみるとかなり印象が違いますので、曲調によって使い分けるとより表現の幅が広がります。

物理的な空気量のバランスをとるため

右手と左手の音量とのバランスをとるためにも使えます。

右手が3枚同時にリードが鳴っている(音量大の)時も1枚(音量小)の時も同じベース音量ではちょっと不釣り合いなので、スイッチを変えて全体の音のバランスをとったりします。

アコーディオンで伴奏をする際に、一緒に合わせる楽器によっては「アコのベースがうるさすぎる」という場面も出てきます。とはいえ、まったくベースを弾かないと、それはそれでなんだか変な感じがするという時は、左手のベーススイッチを変えてみる(低音をカットする)のもひとつの方法です。

あえて音域を限定する

あえて右手鍵盤はLスイッチで左手ベーススイッチは高音域のスイッチで弾いてみると、左右逆転したような感じがして面白いです(聞いてる人には伝わりづらいかも知れませんが笑)。

あるいは右手Mシングル、左手も中音域のみ(低音と高音をカット)で小型楽器のようなシングルトーンの響きにしてみるのも新鮮味が出せます。

是非ご自身の楽器を使って色々な組み合わせを試してみてください。

アコーディオンの音色 長所短所

アコーディオンの魅力は、「リードの音の重なり」にあると思います。他にはない独特な音色は、その楽曲に彩りを与える効果があります。

アンサンブルでの注意

しかしなががら、演奏する場面やバンド構成などによっては注意が必要です。もともと同時に複数の音が鳴っているため響きが濁りやすく、他の楽器の音を邪魔してしまう恐れがあるからです。

自分のメロディーラインを際立たせたいのか?
それとも伴奏に徹して、別の主旋律を目立たせるために脇役に徹するのか?
はたまた、どちらも必要な楽曲なのか・・・

ソロ演奏ではあまり気になりませんが、アンサンブルにおいては意外と位置づけが難しい楽器でもあります。頑張って色々弾くよりも、かえって音数と音色を絞った方がキレイにまとまる場合も多いです。

個人的にはアコーディオンは足し算よりも、引き算が難しいなと感じています。残念ながらピアノのように最適な編曲がされた楽譜がとても少ないので、ほとんどの場面においてアレンジ能力が必要になってきます。

よりよい演奏をするためには、常に自分の音も周りの音もよく聴く必要があります。その場で色々な役柄に変身できるよう、まずは自分の楽器の音色や特徴をよく知っておくことが大切だと思います。

アコーディオンの魅力

アコーディオンは独奏でも完結できる楽器でありますが、どんな何役にでも変身できる、変幻自在な楽器でもあります。

機種によって音色もスイッチの数も変わってきますから、「これじゃなきゃいけない」「こうしなくては間違い」というルールはありません。

あくまでもその曲、その場面にあった最も美しい響きを追求することが楽器として大切なことなのだと思います。その特徴や機能について知っていけば、より多彩で他の楽器にはできない音楽表現が可能になります。

是非スイッチを有効活用してアコーディオンを楽しんでみてください。

では、また!

 

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アコーディオン横丁
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