フリーべースとは何か?
スタンダードベースとフリーベース
一般的なアコーディオンの左手ベース部は「スタンダードベース」といい、ベースボタン(単音)とコードボタン(和音)に分かれたボタンがルート音ごとに規則的に並んでいます。スタンダードベースの単音は1オクターブしか出せません。
それに対してフリーべ―スというのは全ての音が単音で配列されており、音域は4オクターブ以上の音が出ます。一般的なアコーディオンは、ベースボタンとコードボタンの組み合わせにより簡易的に伴奏が付けられることがメリットとされておりますが、フリーベースの場合は逆に音域の広さによって自由に音を選択して表現できるところに魅力がある楽器です。
フリーベースの配列の種類
Minor 3rd(マイナーサード)システム、Fifth(クイント)システム、などいくつか配列の種類があります。日本で多く使われるのはマイナーサードシステム、その次がクイントですが、世界的にはマイナーサードの方が主流とのこと。
コンバーターシステムとは
スタンダードベースとフリーベースを切り替える機能を備えているモデルのことをいいます。一般的なアコーディオンのようにコードとベースボタンからなる「スタンダードベース」と、すべて単音からなる「フリーベース」を、スイッチひとつで切り替えられます。
↑ この長いバーを押すとスタンダードとフリーベースが切り替わり、同じボタンでも異なる音が発音されます。この機種の場合は、ボタン式アコーディオンの右手部分を左右対称に配列したもの(Minor3rdシステム)のフリーベースに切り替わります。
コンバーターシステムではない場合
コンバーターシステムでない場合は、このようにスタンダードベースとフリーベースが並んで全部配列されています。スタンダードベース部分は、普通の機種より間隔が狭く配置されています。
スタンダードとフリーベースの境目は段がつけられています。端っこのスタンダードベースボタンは1~3個削られていますね。中のリードセットのスペースの関係かと思われますが、それでも127ボタンあるのでかなりの数です(一般的なアコーディオンだと120ボタンがフルサイズ)。
Vアコならボタンひとつで設定が可能!
Roland製電子アコーディオン(通称Vアコ)をお持ちの方は、なんと設定でこのスタンダードベースとフリーベースの切り替えができます!ベースの設定を選択するボタンのなかに「FREE BASS」と書いてあるボタンがあると思います。そちらを押せばすぐにベース部がスタンダードベースからフリーベースへ早替わり。なんて便利なんでしょう!
配列の切り替えなどはさらに細かい操作が必要ですが、機種によって操作方法が異なりますので、詳しくは各種の取扱い説明書をご覧ください。
取扱説明書はRolandさんのV Accordionページにて、それぞれダウンロードができます。
フリーベースについて、いかがでしたでしょうか?
いきなりフリーベースのアコーディオンを購入するというのはハードルが高いかも知れませんが、もし楽器店に展示品がある場合は是非弾いてみてください。特に低い音の響きを一度体験すると、その音色の心地よさと仕組みの面白さがわかると思います。
最初はまず、電子アコーディオンを買ってみて色々な運指を試してみるのもいいかも知れません。ヘッドフォンで深夜でも安心して練習ができちゃいますしね。興味のある方は是非チャレンジしてみて下さい。