間宮しほ

アイス大好きな20代🍨期間限定ハーゲンダッツは常にチェック済。珈琲を片手に読んだり書いたり。掌編小説を投稿しています。よろしくお願いします☺️毎週木曜日に更新中🖋 第39回織田作之助青春賞2次選考通過|第221回コバルト短編小説新人賞「あと一歩」選出

間宮しほ

アイス大好きな20代🍨期間限定ハーゲンダッツは常にチェック済。珈琲を片手に読んだり書いたり。掌編小説を投稿しています。よろしくお願いします☺️毎週木曜日に更新中🖋 第39回織田作之助青春賞2次選考通過|第221回コバルト短編小説新人賞「あと一歩」選出

マガジン

  • 踊ル埴輪

  • 掌編小説詰め合わせ☺︎

    2000字程度のサクッと読める掌編小説をまとめました。

最近の記事

  • 固定された記事

甘いキャラメルラテと、別れのシナリオ【掌編小説】

気持ちの良い秋晴れの朝。 ベッドの上で、最後の言葉を何度も心の内で繰り返す。 「今までありがとね」 この言葉を耳にした美しい黒髪の彼女は、 きっと少し悲しそうに笑うだろう。 無言のまま俺に背を向けて、 反対側に歩き出す。 俺はそれをそっと見送る。 それが、1番綺麗な別れ方のはずだ。 3年続いた2人の関係の、終わり方。 最後は感謝の言葉で締めるべきだ。 昨日の夜から、ずっとそう言い聞かせていた。 窓の外からは 鳥のおはようの鳴き声が聞こえる。 いい朝だ。 ***

    • こころマンホール*1  コバルト短編小説新人賞「もう一歩」選出作品

      鈴木はこの一年、いつも下を向いて生きている。 しかし悪くはないと彼は感じていた。 四六時中地面を見つめる彼の世界は、それなりに豊かに広がっているからだ。  7月初旬。蒸し暑い金曜夜の居酒屋は混雑し、広くはない店内にざわめきが飛び交っていた。鈴木は大久保さんと小さいテーブル席にいた。大久保さんはメニュー表を楽しそうに眺めている。 「ふーん。ここ初めて入ったけど、割と手の込んでそうなつまみが結構あるな。今日は二人だからいろんな種類を頼もう。あ、お前もビールでいいよな?」 「はい

      • 冬、のち桜。【掌編小説】

        白の世界はやがて緑とピンクに色づいていく。 桜の花びらがひらりひらりと踊っている。 ふんわりと漂う花の香りが、私の体を一グラム軽くした。 長かった冬が終わり、やっと春が来たんだ。雪国の春の訪れは感動的だ。 黒い空の下で凍える寒さにじっと耐える私達。 ふわふわした雪は地面に積もった途端に重さを増し、私達は雪かきと言う重労働を強いられる。 表面に露出している肌は凍えていくのに、着込んだダウンジャケットの下は汗でびっしょりだ。  「もう雪なんかこりごりだ」 と雪国の住民

        • ちょっと贅沢なコーヒーを淹れてみた。

          シルバーウィークの後半最終日。 家での~んびりしていたら、甘いお菓子が食べたくなった。 せっかくだからコーヒーと一緒に。 そうだ。 母に貰ったちょっと贅沢なブレンドコーヒーがあったんだ。 たまには丁寧にコーヒーをドリップで淹れよう。 普段頑張っている自分のために。 キッチンに向かい、ポットのお湯を沸かす。 その間にカップ、ドリッパー、ペーパーフィルターを準備。 カップは昔サークルの後輩に貰ったお気に入りのやつ。 その他は百均で揃えたやつ。 カップの上にド

        • 固定された記事

        甘いキャラメルラテと、別れのシナリオ【掌編小説】

        マガジン

        • 踊ル埴輪
          0本
        • 掌編小説詰め合わせ☺︎
          4本

        記事

          最終電車、蜜柑の香りとセーラー服。       #2000字のホラー

          ガランとした無人駅、最終電車を待つホームの外は黒い闇に包まれている。 静寂を切り裂くように、ぎこーん、ぎこーんと看板が揺れる音がどこからか聞こえた。 新任の高校教師である土方が座るベンチの隣には、セーラー服を身に纏った少女が蜜柑の皮を剥いている。 「先生も、お一ついかがですか?」 細長い指がそうっと伸びてきて、酸っぱい香りが鼻についた。  「だ、大丈夫だよ。ありがとう」 土方はおろし立てのネクタイを慌ただしくさすり、上ずった声を出した。 そうですか、と少女はパク

          最終電車、蜜柑の香りとセーラー服。       #2000字のホラー

          2000字小説:雨、花火、恋の足跡。

          雨上がりの図書館の空気が、好きだ。 ザーッと外から聞こえる雨音とじめじめした陰鬱な空気が消え去り、 しん、とした静寂の中、窓からはほのかな陽光が差し込む。 その光が頬を照らすと、どことなく心まで温かくなる気がする。 もちろんそんなタイミングいいことなんてなかなかない。 でも私はそれを初めて誰かと共有したとき、恋に落ちた。 「やっと晴れましたね」 窓の外の様子を見つめていた私と目が合ったその人は、声を潜めて笑った。目には太陽の光が反射して、キラキラ輝いていた。 落ち着い

          2000字小説:雨、花火、恋の足跡。

          間宮しほ:プロフィール

          はじめまして。間宮しほです。 アイス大好きな20代。本をよく読みます。 珈琲を片手に読んだり書いたり。 本の感想、短編小説、日常で感じたことを綴ります。 よろしくお願いします。 ヘッダーの写真はひたち海浜公園で撮った一枚。 ネモフィラはもちろんのこと、道中に咲くチューリップが カラフルで綺麗だったので思わず撮りました☺ 好きなもの、こと小説 乱読派の父の影響で、学生の頃から色々なジャンルの本を読んできました。 基本的には再読はしません。 夏目漱石『こころ』、伊坂幸太郎

          間宮しほ:プロフィール