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企業型確定拠出年金(DC)とは?

 皆様こんにちは、よこちょうです。

 前回は退職金について、まずは全般的に考察してみましたが、これから数回に渡り「企業型確定拠出年金(DC)」について考えたいと思います。
 突然ですが、この文書を読んでいる皆様はこの制度について、どの程度ご存じでしょうか?

 ・既に会社で導入されていて制度を利用されている方
 ・会社で導入されておらず、個人型(iDeCo:イデコ)に入っている方
 ・会社で別の退職金制度があって、そちらをご活用されている方
 ・そもそも、どうなっているかわからない方
・・・・

 色々な方がいらっしゃると思いますが、現在60歳間近となった私の経験も踏まえつつ、色々と書いてみたいと思います。
 まず、今回は「企業型確定拠出年金(DC)」そのものの概要を説明してまいります。


【この制度ができた背景】

 今はあまり聞かなくなりましたが、私がこの制度を利用し始めた頃(確か2002年だったと記憶してます)は、「日本版401K」と呼ばれていました。
 この制度は、新しい年金制度として、2001(平成13)年10月から始まりましたが、米国の税法401K条項における特典を活かして普及した企業年金制度をモデルに作られた制度です。
 この制度が導入される以前の退職金制度における企業年金は、将来受け取る給付の額を約束する、いわゆる「確定給付型」でした。
 この「確定拠出年金」は、支払う掛金だけを保証し、その運用は拠出された各個人が行う事になります。つまり将来受け取る金額は運用次第という事になります。

 企業側にとっては、約束している給付ができず不足を補填するような問題を気にする必要がなく、企業会計面においても、退職給付債務の認識が不要になるため、特に大企業において導入が進みました。

【確定拠出年金の種類】

まず、確定拠出年金の種類として、「企業型」「個人型」の2つの種類があります。

 ・ 「企業型」
  会社が導入を決めるもので、社員が加入を決めることはできない。
  会社が社員から同意を得たルールに基づき制度を運営する。

 ・ 「個人型」
  iDeCo(イデコ)と呼ばれ、各金融機関で昨今広く宣伝されています。
  個人が自分の意志で加入する制度です。
   現在は、60歳未満の公的年金の加入者であれば加入可能です。

 以降の記事においては、「企業型」(企業型確定拠出年金)について説明してまいります。

【企業型確定拠出年金の概要】

 この制度の説明は色々なところで分かりやすく紹介されており、今更ながらここでという事もないのですが、
 以下の図をまずご覧ください。

企業型確定拠出年金の仕組み

 会社は、社員のために掛金を払い、社員それぞれで拠出された掛金を、指定されている金融商品(投資信託や預金など)を選び、運用していきます。
 金融商品は、資産管理機関にて取り扱い可能な商品から選択します。
 給付は、会社とは関係なく、給付を受ける本人が自分で手続きします。

 図の中に記載されている、以下の機関については、会社が決めることになり、各個人が決めることはできません。
 ・ 運営管理機関
  金融商品の情報を提供し、社員一人一人の口座を管理し、資産残高などを記録します。
 ・ 資産管理機関
  実際にお金を預かり、社員それぞれが選んだ商品を売買し、給付を担当します。

【企業型確定拠出年金のメリット】

 確定拠出年金は、以下の3つの観点で、税制上の優遇措置を受けることが可能です。

 ・ 拠出された掛金は個人の所得とみなされない
 ・ 運用益は非課税
 ・ 受取時についても各種控除が適用可能

 その他にも、
 ・離転職時に、積み立てた年金資産を課税されずに転職先に移行(もしくは個人型への移行)が可能
 ・企業が選択制(給与からの天引き)を用いた場合、社会保険料の算定から外れる

 詳細については別途、企業側/従業員側双方の視点で解説したいと思いますが、メリットの多い制度かと思います。

【考慮しておくべき点】

 メリットがあれば、当然ながら以下のようなデメリットや考えておかなくてはいけない点もあります。

 ・60歳まで原則引き出せない
 ・資産運用のリスクがある
 ・運用する機関を個人で決めることができない
 ・運用商品および金融情勢について適切な情報を継続的に得る必要性

 次回以降、数回に渡り、この「企業型確定拠出年金」について、私の実体験も交えて、制度の考察をしてまいりたいと思います。
 どうぞお楽しみに。