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冬枯れの季節に【詩】【ポエム】㉝


私は木

秋になったら自分の身を削り

落ち葉を 君の上に ふりまくでしょう

見上げて こちらを向いてほしいから


夏には 木陰を作り ここで君に休んでもらいたい

風に吹かれたふりをして

そっと 肩に触れるでしょう


私は


自分が何者なのか ずっと わからなかった

ある日

根元に落ちる どんぐりを見て

自分が華やかな花も実も付かない かしの木だと知った

君の所へ歩み寄ることもできない

生まれついた この場所で

生きていくしか すべがない


自由に空を飛ぶ鳥を見て

をうらやむのはやめよう

あの鳥だって いつ撃ち落とされるやもしれぬ

危険をはらんでいるではないか” と

自分を慰めてみても

それでも

飛んで 君の所へ行きたい と

思ってしまうのは

無い物をねだる 子供なのでしょうか



季節が変わり

渡り鳥が来て こう言った

"君は 自分が思う程 無力じゃない

僕が  いつも決まった時期に

この場所に降り立てられるのは

君が目印になっているからなんだ

華やかな 花は無くとも

冬でも 葉を付け続けている君が。”


ありがとう   ありがとう


”いいえ こちらこそ

ありがとう”


背中越しに言った渡り鳥の

羽の間から 夕日がきらりと

まぶしく こぼれました


【後記】

私は、詩を書き始めてから15年以上は経っていると思います。

書いた時の日付を書いてこなかったので、これもいつ書いたのか わかりませんが、ずいぶん前に書きました。

今迄 こちらの note に掲載した詩の中で、一番最近書いたのが、「半月の宵に」です。

何故か、季節に絡ませた詩が多く、無意識にそうなっています。

夏の詩から投稿し始めた、この note。

私はあまり多作のほうではないと思います。

一巡して、春の詩まで掲載し終わったら、アップする頻度はガクンと落ちると思います。

それでも、私の詩を思い出して下さる方がいらっしゃったら、また読みに来て下さいね。



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TSUMUGI
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