『ラグビー 勝負のメカニズム』後藤翔太著(KADOKAWA)・・をかってに書評
『ラグビー 勝負のメカニズム』後藤翔太著(KADOKAWA)
本書は、ラグビー版『孫子』かもしれない?
はたまた、ラグビー版『五輪書』か?
どちらにせよ、本書は、ラグビー(ユニオン/15人制)という競技において、勝敗に関わる因子をあらゆる角度から考察し、その理(ことわり)を解き明かした好書である。
https://www.amazon.co.jp/%E3.../dp/4044007314/ref=sr_1_1...
ラグビーというゲームの勝敗に絡むであろう多様な因子から逃げることなく網羅し解説していてかつその文章は、著者本人のシェイプされたボディーフォルムに相応したかのように一切のムダがなく、また同時にその経験値の深さを物語るかのうように、一語に込めた意味を多角的に解釈する技法を纏い「ハイハイ、その裏の意見があることは百も承知の上での思考でございまする・・・」とばかりの360°指向のディフェンス眼によって、ちょっと油断するとラグビーを斜めから見たがる御仁たちからの突っ込みに対する防御を緩める不安をいささかも感じさせない。
参考動画:キミはまだ間に合うのか? 後藤翔太著『パスの真髄』(ベースボール・マガジン社刊)メイキング動画by上達屋https://www.youtube.com/watch?v=8qE0YCLYCys
「ああ、良い質問ですね
?・・ならばまずはこの本を。これに全部書きましたから・・」
本当に、全部書いてある。
多種多様なグレードのラグビー愛に溢れたラグビーファミリーたちから、日々投げ掛けられる局面ごとに1ピースを切り刻むような問いかけに、相手の理解度とリテラシーの深さを慎重に鑑みた上で丁寧に回答することを厭わないできた著者のサービス精神旺盛なスタンスはそのままに、「今のお話だと、先にこの本を読んでいただいた方が包括的にお答えてできるかもしれませんね」と、ここでもまた論理的に顧客の満足度を増す戦略としても活躍しそうな本書である。
それにしても後藤さん、
「一気に吐き出しましたねえ・・」
読んでいる途中辺りから、ラグビーのゲームで起こり得るしのぎあいの仕組み全てをこの一冊で網羅した感が伝わってきた。後藤さんがラグビーに関わりを持ち始めてから今日までの長い時間の中で、その体内と脳内に混ざり合ったカオスを濾していく作業の果てに「現時点でここまでは解っている!」という英知をまとめてアウトプットできたことへの著者の充実感を感じさせるのである。
でも、“一気に全部吐き出し”たら、何も残らないのでは?
その心配は杞憂であろう。
なぜなら、ここで言う“全部”とは、「現在の後藤翔太が所有するラグビーにおける英知の中で文字や文章に置き換えられる範囲の“全部”」のこと。文字にできないことや、二次元媒体での表現の限界は存在する。
推測するに、おそらく本書の中で彼は、彼の脳内に隠し持つ奥義の15%程度しか明らかにしてないのではないか?
し
かも、彼自身が芯化の途上にいることを理解し、それを楽しんでいるようにも見える。その上で、現時点で書籍という形で審らかにできることは、整理し体系立てて読み進めやすく構成されており、パッケージの完成度は高い。
参考動画:【上達屋 ラグビーアカデミー】ラグビー練習の当たり前をやめた?!世界中が誤解していた?【後藤翔太のパスの正体】この2人だけが気づいていたラグビーパスの本質公開!https://www.youtube.com/watch?v=CLhn0HUssYQ
選手からコーチ、解説者と思えばYouTuber、そして今度は書籍でもと、ラグビー界で多彩な才能を披露し始めた後藤翔太から・・・目が離せない日が続
く。