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花業界の数字
フラワーディレクターとして提携花屋さんと共に活動している青木です。
・「花屋2.0」という花屋専門支援サービス
・セールスパーソン向けマガジン「できるセールスには花がある」
・「祝花コレクトサービス」
・「アート盆栽」
など、【フラワービジネスを新しくデザインする】をテーマに花屋という立場ではないからこそできる業界の盛り上げ方を様々企画立案し展開中です。
花屋さんって儲かるんでしょ?」
「花屋って結構あるよね?でも結構潰れてもいるよね?」
「花って粗利良いよね?」
など、いろんな憶測が飛び交っていますが、実際の数字を知っている人は少ないです。というか、正直あまり関心がないと思う。。
なので、この記事では業界規模等の数字について少し触れたいと思います。
市場規模
(農林水産省資料より)
一言で言うと市場規模は右肩下がりです。。。国内消費規模は全体で約1兆円。そのうち個人消費が8割で業務用消費が2割です。平成9年をピークに世帯別年間購入金額は下がり続けています。。。
年齢別購入金額を見るとメイン消費者層が60代以上のシニア世代ということが明白です。それに対し、花屋の数は専門店で15,903店舗。テナントやその他小売店を入れると全体で26,896店舗です。その26,896店舗であげている売上が約5,195億円。単純に売上÷店舗数で計算すると1店舗あたりの平均年商は約1,900万円(月商平均約160万円)となります。
花き専門小売業者(花屋さん)単体で見ると年間3,683億円(15,903店舗)なので、1店舗あたりの平均年商は約2,300万円(月商約190万円)です。
これが事実です。これをどうとるかは人それぞれですが、現在の花屋さんの現状がこちらです。
儲かってるじゃん
この数字だけ見ると「儲かってるじゃん」と感じる方は結構いらっしゃるんじゃないでしょうか?
ただ、当然のことながらここから諸経費を差し引いていきます。
・人件費
・家賃
・お花の仕入れ代(生物なのでロスもある)
・資材購入費
・車の維持管理費
・諸々保険料
・水道光熱費
・システム利用料
固定でかかってくる費用をザッとあげてみましたが、それでもこれだけあります。その他変動費として、研修費・出張旅費・消耗品費などなどあります。となった場合の実際の経営状態はどうなのでしょう?(そこまで資料として出てないので実際の利益までは書けませんが悪しからず)
多くの花屋さんと接している中で感じている実感値としては「非常に厳しい」というのが私の所感です。ただ、その中でも経営状態が良いのかな?と感じさせる花屋さんの多くが固定費割合の高い「人件費」「家賃」を押さえることに成功しています。
・家族経営
・自宅の一角を店舗にしている
選択と集中ではありませんが、花屋の仕事の特徴をよく捉えて、その規模に押さえて経営しています。素晴らしいモデルだと感じています。
そんな花屋さんに共通して言えることは「幸せそう」だということです。自分たちの大好きなお花に毎日囲まれて、大好きなお客様が来てくださって、そして時間のコントロールも自分たちでできる。その魅力がまた新たなお客様を呼び寄せるという好循環が生まれている花屋さんもあります。
多くの花屋さんは・・
が、そのフェーズというか自分たちの体力と店舗規模と実際の数字が一致しているような花屋さんは全体の約2割程度だと思っています。
ただこういった花屋さんも自分の身に何かあった時のリスクは常にはらんでいますので、そこに対するリスクヘッジをしている花屋さんがどれだけいるのか?は疑問が残ります。
多くの花屋さんが過去の延長線上にまだまだ立脚していて、そこから新たな展開に持って行けず、中には「茹でガエル状態」になり閉店を余儀なくされているお店もあります。
また、数字は出ているんだけど人がいない・・
ブライダルor葬儀の売上があるから今はなんとかなっているけど、このままではマズイ・・
など花業界全体が危機感を持っているというのは事実です。これ自体はとても良いことだと思っています。
それでも、実際には・・・
残念ながらそれでも実際に行動を起こして業界に変革を起こしていこう!何か新しいサービスを生み出していこう!という花屋さんは少ないのが実状です。
理由は大きく2つあると思っていますが、「目先の仕事に追われている」「誰かがやってくれるのを待っている」です。
なので私は今花屋さんの支援のための活動をしています。
まだまだ花屋さんからの認知自体も低いですが、少しずつ認知の輪が広がりを見せていますので、引き続き「花屋さんは何を求めているのか?」を自問自答し商品サービスの開発をしていきます!