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【読書の旅】今月の本|12月
Szia!
「今月の本」なんて銘打っておいて、8月に投稿したきり、すっかり間が空いてしまいました。本当は書こうと思っていたんですよ!でもめんどくさくなっちゃって…。あのときは幻滅するほどの暑さだったのに、今ではすっかり寒くなりましたね。読書の秋なるものは一瞬で過ぎ去っていきました。ていうか秋、ありました?
まあとにかく今月の本です。
エルンスト・H・ゴンブリッチ「美術の物語 ポケット版」
「世界一読まれている美術史の本」というコピーに惹かれて購入したのですが、どうやら美術界では有名な本のようですね。
いままで知らなかったのですが、近所の書店で平積みされていて、しかも記念特価の1000円引きで販売されていたので買ってしまいました。
ふと「ブルーピリオド」を読み返してみたら主人公が課題から逃避する場面で登場していました。
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前半の本文では美術史について時代や地域ごとに章立てして書かれていて、後半は本文に対応した作品の写真が掲載された図版になっています。
ほぼ西洋美術に限られてはいるものの絵画、彫刻、建築など広く美術を網羅しているように思いました。
後半の図版部分はカラーも多く、わざわざ改めて調べる必要がないので助かります。
また、作品に引用されている聖書や神話のエピソードが書かれているため、キリスト教に通じていなくても西洋美術を楽しめる構成でした。
一方で本文はゴンブリッチの主観的な意見が多いように感じました。
私のような少し美術に興味があるだけの読者はゴンブリッチの意見をそのまま受け入れてしまい、実際の作品を観るときにはその意見が全てのように鑑賞してしまう恐れがあると思います。
この本の意見が西洋美術の全てではないと意識しながら読む方が良いかもしれません。
またポケット版で持ち運びやすく手にしやすい反面、図版が小さいと感じる部分が多いです(これは「ポケット版への序文」で著者の孫も言っていることです。しかし現代の読者はフルサイズ版を手に取ることもできると綴られています。確かにその通りなので必要とあらばフルサイズ版を読めば良いと思います)。
先日フルサイズ版の「美術の物語」が売られていたので軽く立ち読みしましたが、かなりの重量に耐えられるのであれば図版との連接の便利さ、細部の楽しみやすさの面でかなり読みやすいと思いました。
総じて、西洋美術史の流れを体系的につかむ導入には適している本だと感じました。
教養として美術を学びたい方にはおすすめです。
しかし思ったよりもボリュームがあり、読了まで結構かかりました…。
ついでに最近は美術脳なこともあり、美術検定4級を受験しました。
オンラインで受験できるし、お金さえ払えば合格できるような検定なんですけどね。
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まぁ、美術検定の合格証は特典がある美術館もあるようなので、今度使ってみようと思います。
来年は3級を取りたいな!