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ビン底メガネのせいで宇宙に連れていかれると思った話

小さいころ、私はメガネ少女でした。
でも、「可愛らしいメガネ少女」ではなく
超ド遠視の私は、いわゆる「ビン底メガネ」(しかも赤縁)を掛けていました。

もうこれって、
「ブスでどんくさい女の子」を表現するときに扱われるアイテムではないですか!

分厚いレンズに目が大きく見える様はとても強烈だったし、通りすがりの大人から笑われることもありました。
兄弟三人ともこのメガネをかけていたので(兄と弟は黒縁)
それはそれは目立っていました。

しかし、私が通っていた小学校は、公立だったけれど穏やかな良い学校で、いじめられることは無かったんです。
そりゃたまに、元気な男の子に「変なメガネ!」的なことを言われ、シクシクと泣いたりしていたけど
それはきっと、子どもにありがちな「大多数と違う、奇異なものに対する揶揄」だっただけだと思う。

恐怖はある日、突然に

私が3年生くらいのころですかね、ある日団地で遊んでいると、上級生でちょっと活発な男の子が
「メガネをかけて寝ると大変なことが起こるんだぜ。」と言い出しました。
え?と思った私に

「メガネからビームが出て、月に合図が行くと、そのまま宇宙に連れていかれちゃうんだよ」と言われたんです。
私は、さーーーーっと血の気が引きました。

危なかったーーー!
なんで誰も今まで教えてくれなかったんだよ!

私は当時文学少女で、いつも本を読んでいましたが
夜はベッドの枕元に電気スタンドをセットし、読書しながら眠るのが楽しみだったんです。
春~初夏、爽やかな秋の夜なんかは、頭の上にある窓を開けると
レースのカーテンがふわりと揺らぎます。
柔らかな風に当たりながら
大好きだったピーターラビットや赤毛のアンの世界など、
「ステキ」とときめき、
気づいたら本の世界の中で眠りに落ちている、私だけの至福のの時間・・。

でも、あろうことか
ビン底メガネをかけながら寝ていたんです。

まずは「今まで宇宙人に見つからなくて命拾いした」という気持ちと、
これからは、本を読みながら寝る、ということは絶対にできない!!(何故なら、多分死んじゃうから)

それからは、眠くなってきたらメガネを外し、本をめちゃくちゃ顔に近づけて読むようになりました。
そのおかげで、あれから40年以上経ちましたが、まだ宇宙に連れていかれていません。笑

しかし「メガネからビーム」って、いかにも小学生の男の子が思い付きそうな・・。
まあ、どっちもかわいい、というお話でした。


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