志賀直哉を読んで㊤
車を運転中、ラジオを付けると、TOKYO FMの「パナソニックメロディアスライブラリー」が流れてきました。人気作家小川洋子さんが未来に残したい文学遺産を紹介するコーナーで、志賀直哉の「和解」を取り上げていました。
志賀直哉は明治から昭和にかけて活躍した白樺派を代表する作家のひとり。「暗夜行路」や「城の崎にて」の代表作があって、、、
その程度の知識しか持ち合わせておらず、
作品の朗読や小川さんの解釈を聞きながら、興味を持ち「一度、読んでみるか」と思いたちました。
さっそく、近くの図書館に借りに行きました。それがこれです。
全集しかありませんでした。分厚いですよね。全ページが「和解」だったら、ハナから借りることを断念していたと思います笑
和解は、主人公の小説家の男と、その父親とのわだかまりや葛藤を中心に人間模様が描かれています。ネタバレになるので詳しくは触れませんが、印象的だったことが2つあります。
一つは、文章が単調なこと(志賀先生、大変失礼しました)。会話文以外は1文1文が「○○○した」で終わります。現代は体言止めを使ったり、表現を変えたりしてリズムを付けますが、当時はこのような書き方が主流だったのでしょう。
ただ、登場人物の感情の起伏が細かく書かれているので、場面がリアルに浮かびあがるから不思議です。これが文学遺産と呼ばれるゆえんなのでしょう。
もう一つは、夫婦関係や家族関係が現代とあまりにもかけ離れていて「時代」を感じること。
例えば、主人公が妻とともに久々に実家に帰省した場面があります。
父親の一言が頭に来た主人公が、
感情に任せて家を出ていこうとする場面があります。
引き留めようとする妻に主人公がしたこととは―
「自分は怒って妻を突き飛ばした。妻は寝床の上へ倒れた」
えっ、自分の実家で妻をけ飛ばす???
まあ、こういう場面を描いても不自然ではないので、
さらりと表現しているのでしょう。
現代であれば、下手したら、妻に110番されて、
駆け付けた警察官に暴行や傷害の容疑で現行犯逮捕されかねませんよね。
和解はまだ読んでいる途中なので、読後の感想は改めて
書いていこうと思います~。
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