
指先でパドルシフト♡
安房峠のヘアピンカーブ
11月15日の早朝5時。
晴れ、ドライブ日和。
愛知を出発し、長野方面から安房峠を通り、上高地へ向かいました。きらくな仲間旅です。
ハンドルは当然のように、私。
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上高地は、標高1,500メートル。その手前の安房峠は、標高1,790メートル。
例年だと、この時期の安房峠は、ノーマルタイヤでは危険なのです。
しかし、今年は暖冬で、早朝と日没後以外ならノーマルタイヤでOKと、現地情報が入ってきました。
地図をみると、次々続くヘアピンカーブ♡
15年くらい前、趣味でカートのレーシングチームに所属してましたが、今ではすっかり感覚は忘れ、それでもこのクネクネの地図には、ワクワクです。
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途中、何度も道の駅に寄りながら、話題が尽きないドライブ。過去の恋バナまで飛び出し、テーマは「人生をやりなおしたいか?」となり。
みなが悩み抜いて「NO」が何とか揃いました。そして何度目かの道の駅で、コーラで乾杯。
こんなときは、大人になってから気のおけない仲間ができた幸せを、大切に思います。
いいぞ!パドルシフト
今回の旅の車は、ハイクラスのCROWNです。
この車には、他の車に替えがきかない特徴があります。
それは、パドルシフト。
ハンドル裏に、時計盤で4時8時の位置に、ギアチェンジ操作が手元で行えるパドルシフトがついているのです。
これを使えば、足元のエンジンブレーキと、指先のギアチェンジで、ミッション走行が可能になり、運転が楽しいこと限りなし。
残念ながら私の車ではなく、持ち主は、後部座席で五平餅をたべています。そして持ち主の彼女は、パドルシフトを使ったことがありません(※このことは、後述の余談につながります)。
私も、CROWNのパドルシフトを使うのは初めてなので、出発してからずっと、両手の中指と薬指2本を、ハンドル裏のスイッチに置いて、感触をたたきこんでました。
使い方は、オートマ走行中に、左右のパドルシフトをどちらかタップするだけです。すると、本来のオートマチックドライブ(=D4)は解除されます。
あとは直感的に手元でギアチェンジしながら、ミッション走行が可能。変幅は、D1~D7。
フットブレーキを踏めば、元のオートマチックに戻っちゃう、という親切設計(逆にいらない)。
穏やかな国道で、紅葉の街並みを楽しみながら、試し走行もすみ、そろそろ安房峠に突入です。
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暗めの秋色の安房峠。
下界より、早く紅葉シーズンが終わり、樹木と山肌は、すでに冬の顔をしています。
徐々に、登り下りが激しくなり、ヘアピンカーブが次々現れてきます。
7段のギアを、左右の指先でカチャカチャ、細やかに絶えずシフトチェンジしながら、ヘアピンの遠心力とエンジン抵抗を重ねて、通わせます。
ブレーキは、出来るだけ使わず、安定させながら滑らかに。
さすが名車。足回りがとてもいいです。
私以外の3人は、景色に一喜一憂しながら、今夜のお宿の話。お湯がいいらしい。あと料理もお酒の品揃えも。今回のために皆で取り寄せた、スイーツの話も。
この他愛ない空気にリラックスしながら、黙って耳だけ参加して、ひとり道を楽しみます。
余談;パドルシフトがついたCROWN今後は製造中止?
残念なことに、パドルシフトを使って運転したい人と、CROWNを選ぶ富裕層や社用車需要との、人種(?)が一致しないらしい。
そのため、「CROWNは2022年から生産中止」と受け取れる新聞記事が出たそうです。(..)
この情報は、ハテナマーク付きですが……。事実なら、寂しいことです(追記、事実でした)
どっちにしても、ぜーんぜん手は届かないけれど。
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手元ギアに夢中になっているうちに、上高地の入り口へ着いてしまいました。ここから先は、マイカー規制で一般車は入れないので、バスに乗り換えます。
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ハードなドライブグローブから、ふわふわ毛糸の手袋に替えて、上高地行きのバスに乗りこみました。ここから小一時間のバス旅です。
集中してドライブした後は、心のトーンが静かになります。窓から景色をみながら、まわりの騒がしさから、少し心が遠くにポツンと立ってる感じ。でも決して寂しくなく。
この感覚。肋骨疲労するほどコース走行した帰り道を思い出します。他の車にブンブン追い越されながら、高速道路をのんびり、ゆっくり走って帰った時と同じ。一人がとても好きだった時間、懐かしいなぁ。
そんなことを考えていたら、あっという間に大正池に到着。4人でバスを降ります。
閉山ギリギリの上高地
山頂くっきり。深呼吸にふさわしい国。
そして、やたらと人が少ないことに驚きました。
明日の14時には、冬に向けて閉山されるため、バスツアーも無いせいなのですが、ここまで静けさを享受できるなんて、予想以上のラッキー!
ほぼ一年おきに、訪れてても、今回ほどギリギリの入山は初めてでした。
「わぁ……」
圧倒的な、正しき大自然。
時々、立ち止まりながら、河童橋まで歩きましたが、遠くまで見える範囲に、日本人(たぶん)がパラパラと歩いているだけ。山の変わりやすい気候は、曇天が多い。なのに、抜けるような青空で、しかも人が少ない(何回言うのよね…)。ほんとにほんとに珍しく、ぜいたくな風景でした。
人間以外は、川にオシドリとマガモ、岸辺にサルの親子。野鳥の声、歩道の脇を流れる小川には、10㎝前後の魚がゆらゆら(名前知らない)。
河童橋のお土産物屋さんも、明日の閉山を控えて、空間だらけの棚が目立ち、売れ残りの野沢菜が、6割引き。割引シールに惹かれて(主婦…)購入しました。
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NHKのテレビクルーが、閉山式の撮影に来ていたようです。割引の野沢菜を買う姿が映ってませんように……。
バスツアー以外で行けるならば、閉山直前をおすすめします。
ぜひ♡とても静かな上高地へ。