時には不快なこともある 中国語(記事66)
今回は中国語と日本に関するちょっと不快な事を書きます。
まずはスラングから。
「日」という字は、中国語では「操」という意味があります。
この「操」は一声の「cāo(操る)」ではなく、四声で、英語の「F●ck」を意味します。
もともとは「肏(cào)」という漢字でしたが、見た目があまりに直接的すぎる文字なので、「操」の字を当てるようになった、とも言われています。
中国で人を罵る時に使う「操你妈(cào nǐ mā)」は「Fu●k Your Mother」の意味です。
また、最近では大人から子供まで、時には幼稚園児でも、驚いた時や何かに失敗した時などに、「我操!(または「卧槽」)」という言葉を使っています。こういう状況は好ましいとは言えません。まずは大人たちから汚い言葉を使わないようにしてほしいものです。
話しが脱線しました。
冒頭に書いた通り、「日」にも「操(F●ck)」の意味があります。おそらく文字の形からそういうイメージができたのだと思います(穴に棒)。
重慶留学中は、「操你妈」ではなく、「日你妈」という言葉をよく聞きました。但し重慶語なので「日」は「ズー」に近く、「你」は「リ―」になります。三文字で「ズーリマー」です。
人によっては完全に口癖になっていて、「おお、すげー」とか「くそッ」とか「やばい」などなど、感情を表す時に「ズーリマー」「ズーリマー」と言っていました。
ここでやっと日本と関係が生まれます。「日本人」という単語です。
留学中に中国人学生が教えてくれたのですが、「日本人」は「操本人(Fuck me)」という意味になるのです。
中国の笑い話でこういうものがあります。
先生「日本人用英语怎么说(日本人を英語で何と言いますか)?」
学生「Fuck me」
似たような内容で、「自衛隊(自卫队)」という言葉も笑い話にされることがあります。「自衛」と「自慰」が同じ音(zì wèi)だからです。
一部の(「多くの」か?)中国人にとって、日本人は「好色」「変態」というイメージがあるため、「日本自慰隊」という言葉は日本が嫌いな人たちのネタにされやすいです。
中国のこういう一面を見ると、「なんてイヤな国だ」と思えてくるかもしれませんが、日本にもあえて中国を「支那」と呼んだり(しかも政治家が)、ひどい場合はネット上で「中獄」などと標記していることがあるので、お隣の国をとやかく言える立場ではありません。
(「支那」については、中華民国時代(日中戦争よりも前)から「支那という呼称はやめてくれ」と中国側が要請しています。相手が嫌がる呼称に対して日本人が「支那に差別の意味はない」と決めつけて使い続けるのはおかしなことです。イジメやパワハラ、セクハラと似た構造です)
最後は、以前、会社の飲み会に参加した時の事です。
日本人と中国人が数十人、いくつかのテーブルに分かれて食事をしたのですが、あるテーブルの中国人がとつぜんおかしな日本語(+中国語)で叫び始めました。
「今天大家一起、ミ~シ、ミ~シ!」
「大家、ハオハオデ、ガンホー!!」
「ヨ~シ、ソ~カ、ソ~カ」
といった具合です。
その中国人の横にいた日本人は、意味が分からず笑っていました。日本語を頑張って話してくれている、と思ったのかもしれません。
でも、多くの中国人は眉をひそめていました。
中国に滞在していればわかるかと思いますが、これは抗日戦争をあつかったドラマや映画で日本鬼子(鬼畜な日本兵)が使う言葉(兵隊支那語)です。
「今天大家一起」は中国語で、「今日はみんな一緒に」の意味。「ミ~シ、ミ~シ」は「ご飯」という名詞、または「食事する」という動詞です。
「大家」は中国語で「みんな」の意味。「ハオハオデ、ガンホー」は中国語で「好好的(地)干活」と書き、「しっかり仕事しろ」という意味です。
「ヨ~シ」「ソ~カ、ソ~カ」は「バカヤロー」と並んで、中国ではほとんど誰でも知っている有名な日本語です。
あの中国人に悪意があったかどうかはわかりません。酔っぱらって軽い気持ちで冗談を言っただけかもしれません。でも、日本人がいる場所で「日本鬼子」の真似をされるのは、あまり気分がいいことではありません。
そしてなによりも、そういったことを知らずに横で笑っている日本人がかわいそうに思えてきました(宴会の後で教えたら驚いていました)。
今回は少し不快な内容になってしまいましたが、イヤな事、不快な事でも、知っておくことは大切だと思います。
(もしかしたら、知らない方が幸せかもしれませんが)