タバコのこと 中国(記事67)
中国はタバコ社会です。
ここ数年は禁煙の場所も増えてきましたが、それでもタバコを吸う人はたくさんいます。
十年ほど前、長女(当時5歳くらい)の咳が止まらなくて病院に行ったのですが、おじいちゃん先生がタバコを吸いながら診察しました。
咳している子供の前でタバコを吸う先生…、まったくすごい世界でした。
今は病院内全て禁煙になっていますが、人々の意識はそう簡単に変わるはずもなく、廊下の窓際でタバコを吸う人もいます。
吸っている人は臭いが気にならないので、煙を窓の外に吐いていれば問題ない、と思ってますが、臭いは部屋の中にも入ってきます。でも、それを注意する人はいません。
「禁止抽烟(禁煙)」と書かれたレストランなどでも、普通にタバコを吸う人がちらほらいます。
昨夕、近くのデパートに行ったら、中学生くらいの女の子2人が入り口で座ってタバコを吸っていました。店に入る人にガンを飛ばしながら。
昭和の不良少女って感じで、すごくカッコ悪いのですが、本人たちはそれが大人っぽくてカッコいいと思っているのでしょうね。
小学生がタバコを吸っていることもあります。先日も「俺はタバコを吸えるんだぜ」みたいなどや顔で、堂々と歩いているお子様がいました。それを注意する大人もいません。
タバコの「入り」はカッコつけです。カッコいいと思うから吸います。私も中国で留学する前から吸っていました。
タバコ社会の中国では、誰かと会ったらとりあえず自分のタバコを一本出して人に勧めるのが習慣になっています(最近は減りつつありますが)。
留学してからは、学校でも寮でもレストランでも、タバコといっしょでした。
中国はタバコの種類が多く、値段もピンからキリまであります。
留学中はタバコのパッケージを集めたものでした。
これは一部です。
留学中は貧乏だったので、1元もしないタバコを吸っていたことがあるのですが、中国人の先生(休み時間になると必ず廊下でタバコを吸う先生)に「タバコを吸うのはかまわないが、安いタバコはやめろ。体に悪いから」と言われたことがあります。
留学を終えて仕事をするようになってからも、タバコはいたるところに存在しました。妻の父も吸いますし、親戚も吸います。バスでもタクシーでも吸います。
妻はタバコを吸いませんが、周りがみんな吸うので、抵抗はありませんでした。でも、妻が第一子を妊娠した時、私の服についたタバコの臭いで気分を悪くしたため、私はタバコをやめました。
数ヵ月の間はタバコを吸っている人の近くで副流煙を吸ったり、お酒を飲んだ時だけ、という条件付きで吸うこともありましたが、それではダメだと思って、きっぱりやめました。
やめてみるとよくわかるのですが、タバコを吸っている人は臭いです。服も臭いし息も臭い。
エレベーターなどでタバコを吸ったばかりの人と一緒になると最悪です。
近所の床屋に行った時、床屋さんの手がタバコ臭くて、髪を切っている間、ずっと不快だったので、その床屋には行くのをやめました。
タバコを吸っている人は、自分は臭い、ということを知っておいた方がいいです。
そして、今の時代、タバコは別にかっこいいことではないです。
中年以上のおじさんやおじいさんで、もうやめられない、という人たちが吸うのは仕方ないですが(吸う姿もそれなりにサマになっていますし)、若い人のタバコを吸う姿はまったくかっこ悪いです。
中国では若い人が慣れない手つきでタバコを吸っていますが、そういうのを見ると、「きみきみ、デビューしたばっかりかい?カッコつけるためにタバコ吸っている姿がすごくかっこ悪いよ」と言いたくなります。
(言ったらトラブルになりそうなので言いませんけど)
タバコをまだ吸っていない人は、今後も吸わない方がいいです。たまにしか吸わない人、今ならやめることができる人は、やめた方がいいです。
タバコは中年以上のやめられない人たちが吸うモノ。体に悪いとか人に迷惑をかけるとか、そういったこと以前に、タバコを吸うと自分では知らないうちに臭くなる(歳とって加齢臭なんかが加味されると、ものすごいことに)、そして、若い人がタバコを吸う姿は、時代遅れでかっこ悪いです。