旅と生きる人生
かつて旅は僕の憧れだった。
友だちとすら、電車で行けるほどの観光地しか行ったこともない。それなのに高校生の頃の自分はというと、「いつか自分は世界を飛び回る旅に出るだろう」と強く確信していた。
自分でお金を稼げるようになってからは、一人で旅に出るようになった。
新しい世界と出会いは、自分のこれまでの選択を全て正解に変えてくれるほどに、素敵なものばかりだった。
旅が妄想からリアルになった。
旅の回数が増えるほど、旅が好きになった。
それなのに社会人になってからというもの、
周りの大人たちは口を揃えて言う。
長期の旅は会社を辞めた時しか行けない、滅多にできないご褒美だと。
その言葉を何度聞かされても、僕の確信は少しもぶれなかった。旅をしながら生きる。
旅と共に生きる、その具体的な方法なんて全く分からなかったけど、諦めようなんてこれっぽっちも思えなかった。
旅、ときどき仕事は、その壁をばっさりと取り払ってくれる存在。
旅ときどき仕事を実践している、自分の前を歩いている人の現在地と足あとを知れる。
旅ときどき仕事にチャレンジしている、自分と似た想いを抱いているひとの一歩を感じられる。
東京住まいではなかったから、オフラインでコミュニケーションを取れた回数は数えるほどだったけど、自分と同じ想いを抱いている人と出会えて、その温度感を感じることができた。旅と共に生きる人生の模範を知ることができた。
いま自分が旅ときどき仕事を実践できているわけではないけれど、旅とともに生きる人生は不可能じゃないんだと、希望を抱いている自分がいる。
旅がそばにあって、旅とともに生きていく未来と現実的に向き合えるようにあったのは、きっとこのコミュニティのおかげ。
次の一歩はこっちかな?
そんな疑問に答えを差し伸べてくれる、コンパスのような存在。
話を聞けば聞くほど、そんな人生を歩むことにワクワクしたし、「こっちに進みたいんだった」という気持ちを思い出させてくれた。
不安だった気持ちがワクワクで満たされるって、すごい力だ。
次のステップは、そのワクワクがカタチになるように。