レスレリアーナのアトリエ レビュー
結論
ゲーム部分は丁度良くおもしろいが、運営面に不安を抱えているゲーム
評価点
従来のアトリエの面白さについての解説
本格的な説明に移る前に従来のアトリエの面白さの解説を行う
アトリエのシリーズは長いため、作品によって感じる面白さはある程度の振れ幅があるかと思うが、個人的な感想を一言で述べれば「調合によるパワーレベリングが楽しいRPG」という結論になる
調合によるパワーレベリングとは、文字通り苦戦していた敵に対して調合を駆使し、アイテム/装備を整えて再戦することで打倒するというゲームサイクルのことを指す
通常のRPGであれば攻略に詰まった場合、経験値稼ぎという作業を余儀なくされるケースが多いが、アトリエシリーズではRPGにおける”経験値稼ぎそのものを遊びにしてしまおう”という独自性がある
ではレスレリアーナのアトリエはどうなのだろうか
(以降、レスレリと記載)
レスレリが受け継いだアトリエのゲーム性
レスレリには従来のアトリエの面白さの根幹を成す、調合システムが存在する
装備やアイテムを調合し、作業メンバーや素材の特性が”ランダム”なレベルで発動するというものである
調合のためにはマナという時間経過で回復するリソースを使用するため、一気に大量に生産することは困難だ
あくまでも基本無料のスマホゲーなので、調合もランダム化+時間リソースを食わせることによってマネタイズ要素へと転化している
レスレリの調合のシステムはゲームの面白さに寄与しているのかというと、実はそうでもない
もちろん、調合自体は楽しいのだが、その面白さは従来のアトリエとは少しズレた遊びになっているということだ
レスレリの育成は調合以外の要素が数多く実装されている
キャラクターやメモリアのレベルや凸、グロウボードだ
ここで実際のゲームサイクルに関わってくるのは、キャラクターのレベル、グロウボードの2点である
キャラクターのレベルはクエストで得る経験値や、ごくまれに手に入る飴を使用して上げることができる
グロウボードは専用のアイテム”光玉”を手に入れることで進行していくことが可能だ
つまり、レスレリで強くなるには、経験値を得るためにスタミナを使い、光玉を得るためにスタミナを使い育成していくのが基本システムとなっている
レスレリの調合の立ち位置
では調合のシステムはどうなっているのかと言うと、下記2点が必要となっている
マナというスタミナとは独立した時間経過で回復するリソース
調合のための素材を各種クエストで入手する
つまり、マナとスタミナ”双方”のリソースを使用して調合を行うことになり、運用コストが高く設定されている
また、従来のアトリエとは違い、キャラクターのレベルアップによる戦力上昇も大きく、各種育成要素が並列化されているのが特徴となる
どういうことかというと、「あなたは、レベリングをしてもいいし、グロウボードを進めてもいいし、調合をしても良い」ということであり、プレイヤーは有限のリソースをどこに注ぎ込むのかを考えるのがレスレリの成長要素の根幹である
これでは普通のスマホゲーじゃんという意見はごもっともだが、あくまでもこれはアトリエ
調合自体が面白くなるような調整が行われている
レスレリの調合のおもしろさ
レスレリの調合の面白さは運の要素に強く支えられている
具体的に言うと、特性付与のシステムが強力かつ運要素が強いというのが理由だ
運要素は付与される特性と、付与される特性のレベルだ
調合を行うには、調合を担当するキャラクターを2名、+αの調合素材を1つ選択し、選択された3つの要素に内包される錬金特性からランダムに抽出される
そもそも、目当ての特性を引き当てる時点で運が必要であり、従来のアトリエのようにアイテムや装備には効果のない特性は引き継げないということもなく、アイテムにスキルダメージを上げる特性が付与されることもあるため、この運要素はさらに加速している
そして、付与される特性のレベルもランダムだ
特性のレベルの影響力は大きく、レベルが高ければ高いほど強力な効果を備えるようになっている
指数関数的な上昇幅が設定されているのだ
レベル1→レベル2の上昇幅は1~2%なら、レベル4→レベル5の上昇幅は12~16%といった具合だ
つまり、レベル5の特性の有用度は非常に高い
端的に言うと、レスレリの調合システムは、自分で素材を集めるガチャである
いうまでもなくガチャは楽しいので、それがゲーム内リソースで引ける以上、「つい、調合をしたくなってしまう」強力な導線となっている
以上を理由に、レスレリの調合システムは従来のアトリエとは異なり、スマホゲームらしいチューニングが施された丁度良いシステムに思える
バトルの面白さ
正直バトルは特別面白いわけではないが、戦術の誘導が複数存在しているので、丁度よく考えて遊べるようになっているかと思う
バトルの面白さは他所で散々言われているだろうから、こちらでの言及は省く
もっとも自分の専門はバトルなのだが、それはまた別のお話…
グラフィック
スマホゲーにしてはシェーダーがかなりいい感じだし、胸が異常に揺れるので紳士の皆さんには好評なようだ
下手したらコンシューマーのアトリエよりもしっかりしている気がする
といっても、アトリエはグラフィックで推すゲームではないので、本作のクォリティが次作のラインとなってくれるとシリーズファンにとってもうれしいと思う
といっても画面に表示する情報を大きく制限できるスマホゲーだからこそなのかもしれないが
コンシューマーゲームでは、キャラクターだけでなく背景のモデルも同時に表示する必要があるため、メモリが一度に処理できる限界を正しく分配する必要がある
極端な話キャラに全振りすると、背景が板ポリ1枚になりかねないということだ
会話イベント中のモーションスキップ
レスレリは会話部分が普通の紙芝居ではなく、3Dモデルのキャラクターがモーションを伴うタイプの紙芝居なのだが、この場合によくある問題として”キャラクターのモーションが完了するまでテキストを飛ばせない”という問題がよくある
が、レスレリはこの問題を大きく改善できているのはユーザーにとって非常にうれしい
キャラクターのモーションが再生されている途中で画面をタップすると、テキストが次に進み、キャラクターのポーズがモーション後の待機状態に1瞬でスキップされるようになっている
ボイスを最後まで聞く前に読み進めたいユーザーにとっては僥倖だ
不満点
課金額の設定
本ゲームは一般的なアプリの倍額の設定が成されている
あまりにも強気すぎる設定だ
また、マンスリーパスのような継続課金のシステムも存在しないため、「リリース時に回収しきったら即畳むのか?」とユーザーに勘繰られてもおかしくない
運営の姿勢
9/30に行われた公式生放送を見てほしい
開発メンバーが不要に複数人顔を出しながら我々ユーザーに向けて話をしていた内容は、「ユーザーの意見(批判)は受け止めていますが、現状維持をするつもりです」というようなものだ
コメント欄に批判の嵐が巻き起こったのは言うまでもない
経験値不足問題
プレイしている方ならわかるかと思うが、ストーリー中に経験値が不足し、キャラクターを適正レベルまで育成することができない
普通に遊んでいると、格上に挑むという背伸び攻略が求められる
シンプルに経験値クエストがゲロマズで、レベルアップに有用な飴の入手手段が大きく限られているのが原因だ
例えば、メインパーティを育成しきった後にサブメンバーを育てるのは難しいというのなら理解できるが、そもそもスタメンの育成に困窮する
経験値に困っているプレイヤーの皆さんは、今すぐ経験値の飴2をショップで購入してほしい
月に数十個の制約付きだが購入が可能だ
石油王であれば、ジェムでの購入も可能なので考慮されたし
以上
余裕があれば画像を追加する…かもしれない