見出し画像

稲積水中鍾乳洞をゆく(大分)

2023.11.10
大分滞在の2日目。
この地には、非常に珍しい水没した鍾乳洞があるという。これは洞窟マニアとして経験しておかないわけにはいかない。今日はあいにくの空模様だったけれど、洞窟内だったら関係ないもんね。
別府市内からレンタカーを飛ばして1時間30分。アクセルべた踏みです。



旅館の窓から見た別府の朝の日常風景。あちこちから温泉の湯気が上がり、硫黄の匂いが漂ってきます。さすが「おんせん県」を名乗るだけのことはあるね。



雨模様のなか山道を登り切ると、いきなり視界が開けて仁王像がお出迎え。ここらへんの演出がじつに観光地っぽさを感じさせる😁



脇にはバーンとどでかい看板が鎮座しております。



ただ、今日は平日だし、天気も雨だし、まだ11時だし、駐車場は閑散としていました。



受付で料金を支払います。PayPay対応。鍾乳洞以外にもいくつか施設が併設されていて、一応それぞれ巡ったんでですが、正直……いや、なんでもないっす。



通路にカプセルトイが設置されていました。いまや、どこにでもあるね。何が出るかお楽しみ? まあ、それを「ガチャ」というのだが。でも、何が入っているんだろうと思って横から覗いてみたら、そもそもカプセルが入っていなかった。何も出ないという選択肢……それは想定していない😨



気を取り直して、本日のメイン、水中鍾乳洞へやってきました。



狭いルートをくねくね進んでいく。洞窟探検にありがちなアプローチです。



途中にはちょっとした滝もある。晴れた日は虹が見えるらしい。今日は残念。



しばらく歩くと、ようやくエントランスが見えてきた。いざ、入洞! なんかエメラルドグリーンの光が見えています。



おおすげ~! もちろんライトアップされた状態ではあるけれど、水中洞窟が手の触れられる距離で展開する光景には、思わず引き込まれます。



足元をのぞき込んでみる。とにかく透明度が高い。そして、底が深い(というか底が見えない)。風がないので水面が乱れることがなく、まるで水が無いようにも見える。



洞内にはほかの客の気配がない。鉄板を踏みしめる足音だけが響く。



いたるところに奇怪な造形が見られる。鍾乳石が1cm成長するのに100年かかるといわれていて、この鍾乳洞は京都大学の研究対象にもなっているそうです。



意外にも緑が多く、植物と鉱物の共生が見られる。



鬼の岩屋。立てかけられたはしごの先には――



大きな口がぽっかりと開いており、奥へと空間が続いているみたい。ここは立入禁止。



光へ吸い寄せられる虫のように、奥へおくへと誘われながら、てくてく歩き続ける。



この洞窟、広いホールは天井が高いんだけれど、途中の通路は頭をぶつけそうな個所もあり、背の高い人には結構きついんじゃないかな😵‍💫



最奥部が近づいてきた。



示現の渕。ようするに、ラストダンジョンってことだな。覗いてみましょうか。どれどれ?



怖えぇ~😱 どこまでつづいてんだ、コレ。もうね、不安感がハンパないっす。ヒュンどころじゃない。ポロッっといっちゃいますよ。



壁に説明看板がありました。こんななかを探索するダイバーさんって、本物の勇者だな。いや、もちろん他では得られない感動もあるのだろうが。



え? うそ、ここ渡るのかよ。大丈夫なんだろうな。ほかに客がいないから、万が一のことがあっても――。まさか何もなかったことにされたりしないよね。



見渡せば、あちらこちらに小さな入口が。



手の届かないような高いところまで、未踏破の道がつづいている。奇岩を横目に見ながら入口へ向かって、来た道を戻る。



この洞窟は二股に分かれており、いま通ってきたのは右側の水中洞。おなじく左手に新生洞というのがある。新生といっても、人間の感覚とは違うんだろうが。これらはあくまで公開されている部分。調査中の非公開部分も合わせて、水中洞窟としては日本一長いという。両翼とも300mあるからね。けっこうスタスタ歩いているんだけれど、ぜんぜん奥に到達しない😵



新生洞も終点が近づくにつれ、だんだん地獄巡りっぽくなってきました😅



そして、ようやく最奥部に到達~! かなり歩いた。そんな行者たちにかけるねぎらいの言葉が「はやく分岐点までもどれ」とか、無情すぎる。



すぐとなりには看板が寝かせられており、いわく「この先開発中、まだまだいくよ!」という頼もしいお言葉。あくなき探求心がうかがえます。鍾乳洞も成長を続けているけれど、人間側の探査も負けじと続いているってことだね。



これが開発中のトンネルか。灯りなし。さすがに入る勇気はありません。



きびすを返し、現実世界へリターン。この鍾乳洞は水辺の静謐さもさることながら、長さもかなりのものでした。おおまかに見ればY字型だけど、途中の通路は複雑に交差していて、停電が発生したら、まず自力での脱出は不可能だよ。水に落ちる危険性もあるし、何しろ洞内はほぼ無音なので、ちょっと正気ではいられないかも。怖ぇ~😱



このプレートにどれだけほっとすることか。



戻ってきたら、ちょうど入れ違いで団体客のご到着。受付のお兄ちゃんはワンオペなので大忙しです。おみやげを買おうと思ったんですが、それどころじゃない様子だったので、そのまま撤収。



随時開発が進んでいるこの洞窟は、ほんとうに次回来た時にあたらしい見学路ができている可能性もある。そういう意味では、今後に期待の持てる貴重な洞窟でした😍