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星空ナイトツアーをゆく(長野)

2024.10.25
仕事で心身ともに疲弊していたおれは、かねてから計画していた「癒し旅行計画」を決行しました。といっても長期休暇がとれる状況ではないので、1泊2日のショートトリップです。
だが、たとえ短期でもいい。しばし現実を忘れて夢のようなひと時を体験できるオアシスはないか、こころをジャブジャブ洗濯してくれるサプリメントを探していたんだ。そうしたら、信州・阿智村で開催している「星空ナイトツアー」なるものをJTBのWebサイトで発見。覗いてみたところ、めちゃめちゃ幻想的。

予約は? 残席僅か。いまなら? いけるッ!

おもむろにポチると、そのあとはひたすら旅行のことだけを生活の唯一の希望とし、無表情で仕事にいそしみながら(それでいて、こころの中でほくそ笑みながら)カウントダウンの日々を過ごしていたのでした。

そして、迎えた旅行当日───


早朝。そぼ降る雨のなか、旅行会社の指定待ち合わせ場所がある新宿南口へ向かいます。右手にある魅惑のレトロ建築はミヤコ新宿ビル。建て替え準備のため立入禁止です。無念。


添乗員さんに連れられてホームへと移動。特急あずさで、まずは御嶽山おんたけさんを目指します。プログラムとしては、日中はロープウェーで山頂まで登り眺望を楽しむ。夜は別のロープウェーで富士見台高原へ、そして満天の星たちに包まれる、という素敵な行程です😍。


特急あずさはゆったりシートで乗り心地も抜群。1時間もしないうちに車窓のそと緑が目立つようになりました。


2時間ほどで電車を降り、観光バスに乗り換えて御岳山のロープウェー乗り場へ直行します。


そこから定員4人くらいの小型ゴンドラへ乗り込み山頂へ。これが結構スピード速くて怖い😨


ゴンドラは出発間隔が広く、振り返っても後発の姿はまだ見えない。貸切感のある贅沢な時間。途中でガタガタ揺れるのが恐ろしいんだが、周囲も秋晴れの申し分ない天候です。


山頂駅に到着しました。


まずは山の神様へごあいさつ。山頂にある神社を参詣します⛩️。


脇に目をやると、おみくじがある。右に普通みくじ、左に恋みくじ。でも星空ナイトツアー参加者としては恋みくじ一択でしょう。100円を投入し天啓を預かることにします。


どれどれ、ふむ中吉か。なんとも微妙。内容も、神様けっこう上からきてますね。


〇〇でもよい、〇〇もよい。総じてある程度の妥協は許されるという、もやもやしたなんともスッキリしない運勢です。そんななか「待ち合せ」だけが妙に実体験ぽくて生々しい。神様もなにか過去にやらかした経験があるんでしょう。


それにしても山の稜線が美しい。目の前に広がるパノラマにはすばらしいものがあります。


いったん山頂駅へ戻り、ロープウェー乗り場でもらった地図を広げてみる。いちばん上がさっきの神社でしょ、下が山頂駅。右手に「お山のぶらんこ」


え、これか……。せっかくここまで来たので童心に返っておきます……が、これ神社や駅と同列でMAPに載せるか?


完全に朽ちたゴンドラもある。バイオハザードで見た記憶があります。


さて、そろそろ下山の時間が近づいてきました。売店を通りぬけてきた道を戻りましょう。売店には(あの)銘菓も置いてありました🤪


見たことないほど膨らんだポテトチップスも。気圧が低いのでね。お値段も膨らみ気味です。


そして最後に、阿智村ナイトツアーのアピールも忘れない。でも、きょうは気持ちいい秋晴れだからね。夜空へ期待も膨らみます。さて、ひとまずバスでホテルまで行きますか。夕食を終えたあとは、いよいよこの旅のメインイベントです。


そして、夜



ホテルの売店にて。昼間のやつとセットで購入することでようやく完成するという、手の込んだマジックです。迷ったんですが、「白い針葉樹」も売っていたので、そっちを購入😋


さて、すっかり日も暮れて、一行はナイトツアーの会場へ。ホテルから観光バスで30分ほどのところに、昼間とは別のロープウェイがあります。会場はそのはるか上にある。


ロープウェイの名は「ヘブンスそのはら」


なんだかライブ会場の開場待ちみたいな、ワクワク感を煽るいい演出です。ファイナルファンタジーのプレリュードが頭の中で自動再生されています😝


ロープウェイの建物に入ると、遊園地のコースター乗り場みたいなメカメカしい雰囲気。


コンセプトが「星空を楽しむ」なので、宇宙系のグッズが紹介されています。商魂たくましい。けれど、なにもここでやらなくてもいいだろ。ゴンドラの順番待ちをしているあいだに、ってことなんだろうけどさ。


けど、それも分からないでもないか。だって今日は平日だよ? にもかかわらずこの人の多さよ。時期によっては2,000人くらいが一度に参加するらしい。今日も数百人はいる様子。


おじいちゃんから(おそらく地元の)高校生まで、多数のスタッフさんが青いスタッフコートを着てせわしなく動き回っている。なにしろ、星空ナイトツアーは開演時刻が決まっているので、とにかくお客さんをさばいて山の上まで送り出さないとならない。時間との勝負なんだな。


次から次へとゴンドラが入ってきては、人を乗せて送り出されていく。


順番待ちの通路には広告の数々が。山頂にいろいろあるのはわかった。わかったから、ちょっと落ち着け。


さて、自分たちが乗るゴンドラがやってきました。版権的な問題はクリア済のはずです。


表から係員のお兄さんが扉を閉めると、いよいよ天空の楽園へ向けて出発。


音量注意!



😱😱😱!!!


怖えぇ~! 高度もあるし、暗闇のなか速度もでてるし、向かいから無人のゴンドラも迫ってくるし、マジでこれはシャレならんぞ。かなりの緊張感!😱


15分ほどで向こうに暖かな光が見えてきました。ようやく山頂駅へ到着~。助かった😭


ゴンドラを降りると、いきなり目の前にこれですよ。否が応でもロマンチックな雰囲気を強調してきます。


まるでスペースシップのような山頂駅をあとにして、足早に会場へと向かおうと、


思ったんですが、どうしても視線を奪われてしまう。ここか、さっきの広告の店は。商品についてもいろいろツッコみたいところはありますが、あえて黙っておきます。


・・・黙っておきます。


会場へ向かいます。途中の地面には神秘的な映像作品が流れていたりして、とにかく雰囲気作りに凝っている。一面芝生の会場に着くと、みんな思い思いの場所にレジャーシートを敷いて、その上に寝転んで開演を待っています。正面の巨大なモニタからは壮大なオーケストレーションが期待感を煽りつつ。


音量注意!


ナイトツアーは、みんなで芝生に寝転んで頭上に広がる満天の星空を見上げながら、進行役のお兄さんによる星座や天体の解説を聞くというもの。

開演時間が近くになると、マイクからカウントダウンの声が響きます。
「間もなく灯りが消えます。離ればなれにならないよう、お連れ様は手をつないでください。それではいきますよ。3、2、1……」そして次の瞬間、周囲の照明が一斉に落ちました。

幻想的な音楽とともに、解説のお兄さんが頭上の天空をレーザーポインターで指し示しながら、星座の解説を始めた……んだけど


この日は雲が厚くてまったく星が見えない! レーザーポインタだけが虚しく夜空を動き回っています。「この雲の向こうにカシオペア座があります」う~ん、そうなのかもしれないけど。やっぱりいまいち乗り切れないんだよな。お兄さんは一切悪くないし、むしろ何とかしようと一生懸命にやってくれているんだが😵‍💫
たまらず正面のモニタに、今この頭上に展開しているであろう星座たちが投影される。これは、わかりやすい。みんな上半身を起こしてモニタに注目しています😅。


20分のショーが終わり、再びライトが灯される。いそいそと席を立ちふたたびロープウェイへ向かう群衆。会場からは人の姿が消えていきます。う~ん残念。だけどこればっかりは仕方ないね。うちらも遅れないように、荷物をまとめて撤収するか。


誘導のお兄さんに促されつつ、ぞろぞろと移動するロマンチストたち。


ロープウェイ駅に着きました。うん? 何か書いてある。


・・・🥴


うへぇ、ものすごく混んでいる。帰りの時間は人が集中するから、登りよりも密度が高いんだな。


ゴンドラで下まで降りてくると、よくわからんポスターが。「笑うへび」もすごいが、第29回っていうのもなかなかだよ。


スペース推しのヘルメットを横目にみつつ


魅惑のメカエリアに別れを告げて外へ出る。


最初に登ってきたときに見た看板がふたたび。まさかこんな結末になろうとは、数十分前の自分は予想だにしなかったんだが。


でも、また機会があれば来てみたいです。すごくいい場所だったし、わくわくする雰囲気もよかったし。あとは自然が味方してくれれば、本当にきれいな夜空が見られるんだろうなと思いました。


バスに戻る前にお土産売り場に寄ってみる。トイレの男女マークもスペース感を感じさせるね。


そして、ここにきてまたJAXAである。この近くにJAXAの施設はありませんよ🤪


バスに戻った一行は、どの顔もやや落胆していました(みんなこの星空ツアーを楽しむために参加していたので、そりゃそうだよな)。でも、添乗員さんはさすがだね。明るい口調で励ましたり、日中の景色の話題を振ってくれたおかげで、帰りの道中、徐々に空気は軽くなっていった気がしました。
空は相変わらず雲が垂れこめていたけれど、みんなの心の雲は少しずつ晴れてきたのかもしれないね(とうまいことを言ってみる😏)