衛星写真によりますと、ロシアの主張とは裏腹に、ブチャに数週間遺体が放置されていました。
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上の衛星画像より、ブチャの民間人殺害はロシアの兵士が町を離れた後に起こったというロシアの主張に反論していることが、NY Timesの分析で明らかになりました。動画には生々しい画像が含まれていますのでご注意を!(画像提供:Maxar Technologies)
ニューヨーク・タイムズ紙が衛星画像を分析し、キエフ郊外のブチャで起きた市民殺害はロシア軍兵士が町を離れた後に起きたとするロシア側の主張に反論しています。
週末にブチャの街角に横たわる民間人の死体(手を縛られたもの、頭に銃弾を受けたものなど)の画像が出た時、ロシア国防省はその責任を否定しました。日曜日のテレグラムの投稿で、ロシア国防省は3月30日頃に「全てのロシア部隊がブチャから完全に撤退した」後に、遺体が最近路上に置かれたことを示唆しました。
ロシアは、この画像は「別のデマ」だと主張し、ブチャでの「ウクライナ過激派の挑発行為」と呼ぶものについて、国連安全保障理事会の緊急会合を招集するよう要求しました。
しかし、タイムズ紙が動画や衛星画像を調べましたところ、民間人の多くは、ロシア軍が町を支配していた3週間以上前に殺害されたことが分かりました。
4月1日に地元議員が撮影したあるビデオには、ブチャのヤブロンスカ通りに散乱する複数の遺体が映っています。Maxar TechnologiesがThe Timesに提供してくれた衛星画像によりますと、ロシアが町を占領した3月11日以降、少なくとも11体がこの通りに置かれていたことが分かります。
*上記記事の上から2番目の動画でご確認下さい。
死体がいつ出現し、いつ民間人が殺されたと思われるかを確認するため、タイムズのビジュアル調査チームは衛星画像のビフォーアフター分析を行ないました。画像は、3月9日から3月11日の間にヤブロンスカ通りに現れた、人体に似た大きさの暗い物体を示しています。この物体は、4月2日の映像が示すように、ウクライナ軍がブチャを奪還した後、遺体が発見された正確な位置に出現しています。更に分析しますと、物体は3週間以上その位置に留まっていたことが分かります。
キエフ郊外の遺体発見場所
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死因は不明です。いくつかの遺体は、衝突クレーターと思われる場所のそばにありました。他の人は放置された車の近くにいました。3人の遺体は自転車のそばに横たわっていました。白い布で手を縛られ、背中に縛られている人もいます。死体はヤブロンスカ通りの半マイル以上に散らばっていました。
ヤブロンスカ通りで撮影された2つ目のビデオには、更に3人の遺体が映っています。一人は自転車のそばに、もう一人は放置された車のそばに横たわっています。衛星画像によりますと、廃車と近くの遺体は3月20日から21日の間に出現しています。
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衛星画像によりますと、死体は3月21日から路上に置かれていました。
(Kievskiy Dvizh via Instagram / Maxar Technologies)
これらは、土曜日以降に発見された民間人の遺体の一部に過ぎません。AP通信は、オフィスビルの裏手に横たわる少なくとも6人の死体の画像を掲載し、中には手を後ろに縛られたものもありました。このビルは、ヤブロンスカ通り沿いで見つかった他の犠牲者の1マイル西にあります。
更に1マイル先では、タイムズ紙のカメラマンが、頭に銃弾を受けた男性の死体が自転車のそばに横たわっているのを発見しました。