グアバの葉茶、クローブ茶、ウコン茶が「糖尿病を治す」ことは証明されておりません。

グアバの葉、クローブ、ターメリックから作られたお茶は、Instagramの投稿で示唆されているように、「糖尿病を治す」ことが証明されているのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。「これには信憑性のある科学的、医学的根拠はありません」と内分泌学者はLead Storiesに語っています。どちらのタイプの糖尿病にも、既知の治療法はないということです。慢性疾患の治療には、生活習慣の改善と薬物療法が一般的です。グアバの葉、クローブ、ターメリックが糖尿病に関連した症状の管理に有益であることを示す研究もありますが、3つのお茶を飲めば糖尿病が治るという証拠はありません、と栄養学の専門家は述べています。更に、クローブとターメリックの成分が糖尿病治療薬と相互作用して害を及ぼす可能性があります、と管理栄養士がLead Storiesに語っています。

この主張は、2024年1月2日にInstagram上で共有された動画(アーカイブはこちら)に端を発し、動画には "This is curing DIABETES.💯❤️." というテキストが重ねて表示されていました。投稿には次のようなキャプションが添えられていました:

この治療法で糖尿病は治る #healthsolvee #diabetes #type2diabetes #type1diabetes #diabetesmellitus #diabetessymptoms #diabetestype1 #whatisdiabetes #diabetesuk #symptomsofdiabetes

This remedy is curing diabetes #healthsolvee #diabetes #type2diabetes #type1diabetes #diabetesmellitus #diabetessymptoms #diabetestype1… | Instagram

記事執筆時点では以下のように表示されていました:

(出典:2024/01/05 金曜日 07:27:51 UTCに取得さ Instagramのスクリーンショット)

動画の中の正体不明の声は、視聴者にグアバの葉、ウコン、クローブを「十分な」水と一緒に鍋で煮ると、「血液から余分な糖分を取り除き、糖尿病、血行不良、高血圧を永遠に終わらせることが出来る」とアドバイスしています。

「この主張には信憑性のある科学的、医学的根拠はありません」と、コロラド大学UCHealth病院の内分泌診療部長であるMichael McDermott 医師(アーカイブはこちら)は、2024年1月26日付の電子メールでLead Storiesに語っています。

米国CDCによりますと、糖尿病は身体が食物をエネルギーに変える方法に影響を及ぼす慢性的な健康状態であるとのことです。治療法は確立されていません。

「糖尿病は慢性の進行性疾患です。つまり、一度糖尿病と診断されれば一生付き合っていく病気であり、治療しなければ時間とともに悪化していく可能性があります。現在までのところ、糖尿病の治療法は知られていません」と、ニューヨーク州NyackにあるMontefiore Nyack病院のJacob's Family Pride Wellness Centerの管理責任者であり、認定糖尿病教育者であるSandra Arévalo氏(アーカイブはこちら)は、2024年1月12日付の電子メールでLead Storiesに語っています。

糖尿病には3つのタイプがあります:CDCによりますと、

1型:自己免疫反応によって体内のインスリン分泌能力が破壊された後に発症すると考えられており、患者は生きるために製造されたインスリンを摂取しなければなりません;

2型:体内でインスリンが分泌されるが、それを上手く使えない場合に発症します;

妊娠糖尿病:妊娠中に発症し、通常は出産後に症状が治まります。

「1型糖尿病については、治療法が確立されていませんが、可能性のある治療法が研究されています」とMcDermott氏はLead Storiesに語っています。

「2型糖尿病についても、治療法はありませんが、十分な減量によって多くの人が寛解を得ることが出来ます。寛解とは、病気がもはや活動的でないことを意味しますが、体重が戻れば再発する可能性が高いのです」

一方、グアバの葉、ウコン、クローブが、この病気の影響を緩和する可能性があるという証拠が、実験室(in vitro) 及び動物実験から得られています。

「グアバの葉、ウコン、クローブは、血糖値を下げる可能性について研究されており、これらのハーブやスパイスを個別に摂取した場合、血糖値を下げる効果がある可能性があることが研究で示唆されています。しかしながら、これらやその他の食品、サプリメント、ハーブ療法はどれも糖尿病を治すものではありません」と、シカゴ在住の登録栄養士で栄養・食事学アカデミーの広報担当者であるMelissa Prest氏(アーカイブはこちら)は、2024年1月10日付の電子メールでLead Storiesに語っています。

グアバの葉が動物モデルで抗糖尿病効果を示しました

グアバの葉は動物モデルにおいていくつかの有望な結果を示していますが、この研究をそのままヒトに応用することは出来ません。グアバの葉茶と抽出物は、動物モデルにおいて抗糖尿病効果があることを示し(アーカイブはこちら)、マウスにおいてインスリン耐性(アーカイブはこちら)と心臓血管機能の改善(アーカイブはこちら)に関与している可能性があります。このように、グアバの葉は糖尿病に関連するいくつかの症状に役立つ可能性があります(アーカイブはこちら)。

「動物実験とヒトを対象とした研究の両方において、グアバの葉茶は食後の血糖値の上昇を抑える働きがあることが示されています。しかしながら、どの研究でも、グアバの葉茶を飲んで糖尿病が治ったという報告はありませんでした」とPrest氏は書いています。

ウコンは炎症と酸化ストレスを軽減する可能性があります

ウコンには抗炎症作用があり、実験室(in vitro)や動物モデルでは、ウコンが糖尿病に有効である可能性が示されています。この鮮やかな黄色とオレンジのスパイスは、糖尿病の発症リスクの低下(アーカイブはこちら)、血糖降下作用(アーカイブはこちら)、体重管理に役立つ可能性(アーカイブはこちら)とも関連しています。ウコンに含まれる特性は、炎症や酸化ストレスの軽減(アーカイブはこちら)、つまり体内の酸化物質と抗酸化物質の不均衡を軽減する可能性もあります。

「ウコンは、動物実験において、血糖値を下げ、インスリン抵抗性を改善する可能性を示していますが、この病態を治すまでには至っていません」とPrest氏は述べています。

また、Mount Sinaiによりますと、ウコンが人間の健康にどの程度影響するのか、また、このスパイスが糖尿病治療薬の効果を増強する可能性があるのかは分かっていないとのことです。

クローブに含まれる化合物に血糖値を下げる効果が期待されます

クローブから発見された化合物であるオイゲノールは、動物実験でも高血糖を下げる働きがある(アーカイブはこちら)ことが分かっており、糖尿病ラットに良い効果を示しています(アーカイブはこちら)。

しかしながら、ウコン同様、オイゲノールも摂り過ぎると「糖尿病治療薬の効果を悪化させる可能性があります」(アーカイブはこちら)、とArévalo氏は書いています。

「一般に、ハーブやサプリメントを摂取すれば、より安全であると信じられていますが、多くのハーブやサプリメントは、服用している他の薬と相互作用する可能性があります。クローブによく含まれるオイゲノールという化合物は、インスリンと相互作用し、危険な低血糖を引き起こす可能性があります。これはウコンが血液サラサラ薬と相互作用するのと似ています」とPrest氏は書いています。

糖尿病は医療専門家の管理下で治療しなければなりません

治療には通常、食事療法、運動療法、医師が承認した薬物療法による管理が含まれています。

「糖尿病は深刻で複雑な病態であり、薬物療法が必要です。現時点では、治療法は確立されていません」、「糖尿病の人は、血糖値をコントロールするための薬を処方してくれる医師の指導を受けるべきです。食事や生活習慣を変えることも重要なので、糖尿病ケアを専門とする栄養士や看護師と一緒に働くことも大切です」、とPrest氏は書いています。

糖尿病を治療せずに放置しておくと、血管や神経にダメージを与え、心臓や腎臓の病気など、他の健康状態を引き起こす可能性があります。米国CDCによりますと、糖尿病は米国における死因の第8位にランクされています。

「糖尿病はサイレントキラーです」、「医師の言うことをよく聞き、処方された糖尿病治療を続けることが大切です。ハーブやサプリメントを摂取する場合は、必ず医師に伝えて下さい」、とArévalo氏はLead Storiesに話してくれました。

健康関連のトピックに関するLead Storiesのファクトチェックは、こちらでもご覧頂けます。


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