過剰品質に至らせぬクオリティマネジメントという観点
そりゃ長時間労働にまで及ぶわけで…。そもそも提供出来るサービスレベルとそれに見合う体制は万全なのか?需要があるからと言って求められるがままにやってるとこうなるに決まっている。
Amazonプライムなど便利に活用はしているが、日時指定も度を越してその日中にお届けとか何とかやっていて異常だとは思わないだろうか。
自宅マンションでも宅配業者が荷台に山のように荷物を積んで、エントランスで1軒ずつ在宅確認をしているのをよく目にする。在宅していようとも「後ほど伺います」と告げられ、商品が手元に届くのは20分後だ。
出掛け間際だと待っていられないので宅配ボックスか或いは後日の時刻指定必至だ。
地方出身の僕も通信販売でサッカーのスパイクやユニフォームなんかをよく購入していた。
当時は現金書留で現金を送付し、手元に届くのは在庫がある場合はその1週間後。
実際に店舗へ足を運べない故の取り得る手段なのだから手元へ届くまではこれくらいのリードタイムは許容しなければならない。
その後着払いなんかも利用出来るようになり、手数料にプラス数百円要するものの本州内であれば3日程度でお目当ての商品が手元に届くようになった。日時指定もこの程度数日の範疇であればまだ良いと思う。
当日や翌日に購入した商品を受け取り必須のシチュエーションって実際どれ程あるのだろう。
地方の僻地では路面店もなく手に取って買うことも出来ないようなブランドモノのニューモデルなんかも、提供する側からすれば望まれるのであればいち早く消費者へ届けたいだろうし、美意識やファッション面のリテラシーが高いヒトにとっては、シーズン毎にこのようなサービスありきでオシャレを演出し続けることが実現出来ているのかも知れない。
だけど本当に必要なら一回東京へでも出てみろよって感じなのだがどうだろう。
便利で何でも手に入るような土地へ身を置いたところで、意外と本来自分がコストを惜しまないような分野への出費は意外に減るコトに気付かされる。
それなりに一線で稼いでいなければ、本当に必要なところへしかコストも費やさなくなる。とにかく何をするのにも金が掛かるのだ。
品質管理で有名な話として、日本の電化製品と他国の無名ブランドのモノとを比較されることがある。
短絡的に見ればこれらは結果、機能も豊富で相応の価格はするものの日本製の製品の方がクオリティが高いと捉われがちだ。
ただ品質という観点でみるとどちらも相応の品質を備えていると言える。
例えば日本製の製品は作りも機能もしっかりしているが価格の設定も相応、一方で無名ブランドの製品にしてみても最低限の機能しか搭載されていないが低価格で手に入る。
それらは元々設計された仕様通りに要件を満たした状態で流通されており、利用者の要件さえ満たすのであれば双方互いに比較されて良し悪しを言われるような代物ではないのだ。
モノに限らず労働力についても同じことが言える。
これまで日本人が担っていた業務を海外へ出してみると、言葉の問題や細かな気配りを理由に日本人の仕事の精度の方が高いと言われがちだ。
見ていて思うのだが、何年もやってれば国内で担おうが海外で担おうが定着してくるだろうし、国内の高給な数十年選手と業務を引き継いだばかりで母国語で業務をしない若手外国人の仕事の精度を比較している時点で不毛だ。
そもそも高給の十年選手はそんな次元で張り合っていないで、年齢相応に組織を率いている立場でなければみっともないと思うのは僕だけだろうか。
きっと経営層の視点と、現場の視点でも差を生みそうな品質管理の話題へと展開することだろう。
このニュースをきっかけに自分も他者へ過剰な品質を求めていないかと日々の業務に照らし合わせながら今一度考えてみたい。
※クオリティマネジメントに関しても取り上げています。