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【弾圧文学の3】押収物一覧表

『情況』2019年秋号に掲載された掌編シリーズ「弾圧文学」の3。
「弾圧文学の1 救カード」「弾圧文学の2 籠の鳥」はこちら。

 押収物一覧表

 1990年の秋だったと思う。あの頃、H大の学生会館には2、3か月に一度は家宅捜索が入った。令状にはどこかのゲリラがどうしたとかなんだとか大学とは関係のないことが書いてあるのだが、それを法的根拠として公安刑事と機動隊員がワーッと入って来た。
 家宅捜査の後には押収物一覧表が残る。我々はそれを見て、あー、白ヘルのあの部屋からはあれが持っていかれたのか、などと確認するのだが、あるガサ入れの後、ある市民運動家から電話があった。

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