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新規事業でBizOpsを立ち上げる意味と新米Opsがやるべきこと

この記事はBizOpsアドベントカレンダー2024 18日目の記事です。 前回はHayato Onoderaさんによる「BizOpsとデータ活用ツール」でした。

BizOps Advent Calendar 2024

はじめに


はじめまして。ジョセフ( @JosephrikiN )と申します。エキサイト株式会社の新規事業「FanGrowth」でCSOps・BizOpsを担当しています。FanGrowthは、BtoBマーケター向けにウェビナー施策支援を、コンサルBPO・SaaSプロダクトによって提供する事業です。

ウェビナーのことならお任せください

新規事業を進める中で顧客数や施策の幅が増えるほど、「本当に改善すべきボトルネックはどこなのか?」といった問題が顕在化してきます。属人的な対応や散在するデータでは、正しい意思決定が難しいこともしばしば。豊富なウェビナーノウハウがあっても、それを事業成長やコンサル強化につなげる“仕組み”がなければ、スケールは困難です。

そこで、立ち上げたのが「CS Ops」です。「Ops」の役割はさまざまに定義されますが、FanGrowthでは、

「顧客の行動や内部リソースを統合的に俯瞰し、データを基盤に改善の道筋を立て、事業成長にインパクトを与える役割」

を担うことを目的としています。気づけば、CS領域だけでなく、マーケや営業からもデータやMA・SFAといったシステム面での相談が私に集まるようになり、今では自分自身を”CSOps”兼”BizOps”と考えるようになりました。

以下では、新規事業フェーズでなぜ今Opsが必要なのか、その裏側と具体的なプロセス、そして新米BizOps担当として「やって良かったことNo.1」と言える「社外コミュニティ参加」の重要性についてお伝えします。

なぜ今「Ops」が必要なのか?

FanGrowthは3期目に入り、主要顧客であるSaaS成長企業のBtoBマーケターは、ウェビナーをリード獲得から商談創出、さらには受注までのフルファネル最適化に活用しようとしています。当社はイベント開催支援にとどまらず、IS(インサイドセールス)アプローチやメルマガなど、複数手段を組み合わせた総合的な戦略策定・実行で顧客のKPI達成を後押ししています。

しかし、顧客数・サービス範囲が広がる中で、以下の課題が顕在化しました。
属人化による非効率
情報がスプレッドシートに点在し、顧客情報やノウハウは特定メンバーの頭の中にしかない状況でした。これでは、顧客ごとに最適な施策を素早く立案できません。
データ活用の停滞
日本有数のウェビナー開催数が生み出す豊富なデータを、ビジネスインパクトに転換しきれていませんでした。
拡張性の不足
ビジネスサイドが自らデータ分析を行えないため、データ抽出をエンジニアに依存。改善提案から実行までに時間がかかっていました。

この「持て余し状態」から抜け出し、ビジネス成長を加速するためにOpsを配置することにしたのです。

Ops設置で期待すること

意思決定の加速:顧客状況を即座に把握し、適切な施策を迅速に打ち出せる。
組織スケールの土台:属人化を解消し、共通基盤で顧客支援が可能な体制を築くことで、事業拡大に対応。
顧客体験向上:データとノウハウに基づき最適解を提供し、LTV向上やチャーン改善に貢献。

この1年でOpsとしてやったこと

Opsとして目指しているのは、単なるデータ可視化やオペレーション改善で終わらず、仮説→施策実行→利益貢献へとつながる高速PDCAサイクルを確立することです。短期的にはチャーン率低下やアップセル増加を狙い、中長期的には「FanGrowthはOpsが強い」というブランドイメージを確立することで、「マーケティング生産性向上といえばFanGrowth」と想起されるポジションを目指しています。

とはいえ、利益貢献に直結する前に整えるべき基盤は多く、今期は以下のような土台づくりが主な仕事でした。
顧客情報の一元化
契約情報や支援内容、顧客ステータスなどが散在していたスプレッドシートをCRMに集約。データのクレンジングの大切さを思い知りました。
データ基盤の構築
AWS上のプロダクトデータやCRMデータをTROCCOなどのETLツールでBigQueryへ格納。データレイク層・データマート層を整備し、LookerStudioでリアルタイム可視化を実現。エンジニアの方々とAIの力を借りながらSQLをいっぱい書きました。
CSが即時活用できる環境づくり
CS担当がダッシュボードを見れば、どこでプロジェクトが停滞しているか、過去の事例はどうだったかが一目で分かるように。
たとえば、「次回はこの企業とのウェビナー共催を提案しよう」という判断が容易になり、効率的な支援体制が可能に。
とはいえ、ただ作っても運用に乗らない!という壁にも直面。ここはまだまだ改善途上。

初めてやることばかりで試行錯誤しながらでしたが、様々な人の助けを得ながらなんとか実現できました。その中で特に良かったのが社外コミュニティへの参加でした。

新米BizOpsがまずやるべきこと:社外コミュニティへの積極参加

Opsとして課題解決しようにも、社内に答えがないことは多々あります。特に私がBizOpsとして動き始めた当初は何もわからない状態で、社内知見だけでは行き詰まりを感じていました。

そんな中、大きな助けとなったのが社外のBizOpsコミュニティへの参加です。
たとえば、「マーケ・SFAシステムリプレイス」という重いテーマに直面した際、コミュニティで質問してみたところ、似た課題を経験した実務者たちから技術面だけでなく、現場の巻き込み方や経営陣への提案スキルなど、実践的かつリアルな知見を得られました。

このコミュニティがなければ、ここまで実務に落とし込めなかった、と断言できるほどのインパクトでした。

社外コミュニティで得た知見をうまく生かせば、社内でのデータ基盤整備やCRM統合、SaaS・コミュニティデータ活用などを、車輪の再発明を避けつつスピーディーに進められるといっても過言ではありません。技術的なTipsだけでなく、組織づくりやプロジェクトマネジメントまで含めた包括的な改善のヒントが得られる場になっています。自分も実践から得られた示唆をコミュニティに還元していけるようになりたいです。

まとめ:Opsの強化とコミュニティ参加で新規事業を飛躍させる

FanGrowthはOps強化によってデータ活用と顧客理解を推進、確実な成長へ踏み出しています。その過程で、社外コミュニティへの参加が不可欠な学びの源泉となりました。特にBizOpsコミュニティは単なる知恵袋ではなく、悩みを共有し、お互いにアイデアを磨く貴重な「共創の場」になっているなと感じます。

もし、BizOpsとして何から始めればよいか迷うなら、まずはコミュニティへ飛び込むことをおすすめします。多様なバックグラウンドを持つ実務者たちが、あなたの課題を共に考え、知恵を分かち合う。そのつながりが、Ops強化と事業スケールを後押しし、あなた自身のキャリアアップにもつながるはずです。

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