シリーズ/統計で見る理美容業の現状④ 1事業所当たりの従業者数(都道府県別)~総務省統計「令和元年経済センサス基礎調査より」~
昨年12月25日に公表された「令和元年経済センサス‐基礎調査」より、理美容業の経営環境を俯瞰するシリーズ第4回。今回は調査の対象となった各理美容事業所数と従業者数から算出した「1事業所当たりの従業数」の、都道府県別の数字を掲載する。
全国数字の際も述べた通り、厚生労働省統計と違い、ここでの従業者は、理美容師免許取得者とは限らない。また、常用雇用者(正社員・正職員、正社員・正職員外)、臨時雇用者と雇用形態も分類されており、100人以上の従業者があっても、常にマックスの人数が勤務しているわけでないので、参考程度に理美容室経営の規模感を捉えていただきたい。
まず、理美容の比較において、全国平均からも美容の方が1事業所当たりの従業者数がちょうど1人分上回っているが、とりわけ理容は1~2人経営の割合が高く、都道府県別で2人以下となっているのは、美容が高知県だけなのに対し、理容は12県に上る。
当然、首都圏や大阪府の近隣など、都市部において、経営規模は拡大しそうだが、理容の12県には、神戸市のある兵庫県も含まれているなど、経営形態の進化は、理美容で全く異なる方向性で進んでいるようである。
美容はやはり東京都が飛びぬけて数値が高く5.69人だが、それに次ぐのは西日本の大将格である大阪府ではなく茨城県の5.37人であった。その他、ところどころ理美容ともに極端な数値を示している県は多く、地域性よりは調査対象となった事業所の状態が大きく反映された結果となった。
因みに厚生労働省統計の最新版、平成30年度(平成31年3月末日)における、1理美容所当たりの従業理美容師数は、美容が2.01人とやっと2人を超えた程度で、理容は2人に満たない1.83人。