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ネイルを流行から日常へ、コロナ禍で見えてきた可能性~2021年度(株)ネイルセレクト政策発表会

 ジェルネイルブランド「para gel」およびボディーケアブランド「para spa」を展開する(株)ネイルセレクト(三宅竜司社長)は、代理店やネイルサロンに向けた「2021年度 政策発表会」を、2月22日(月)14時より、東京都渋谷区のセルリアンタワー東急ホテルで開催。約100人が会場を訪れた他、Zoomによるオンラインライブ配信でも約500人が参加した。

 プレゼンテーションに登壇した三宅社長は、「コロナ禍においてさまざまな変化が起こり、終息後は急激なスピードで新しい時代に移行していく」と述べた上で、社会環境や消費動向など、現状分析によって美容業界における課題を示唆した。

 三宅社長は、リモートワークの推進による働き方の変化、生活圏が都市型から地方型へ、居住地を中心としたエリアにシフトしている中で、人々の時間の過ごし方にも今までにない傾向が生じていることを指摘。通勤時間が省略されるなど時間に余裕ができたことで、土・日曜日・祝日に行なうことが通例となっていたショッピングや美容室・ネイルサロン通いも、平日昼間に動ける層が増えていると解説した。

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プレゼンテーションを行う三宅竜司社長

 また、情報収集の手段の手段として、ネイル業界とインスタグラムとの相性の良さに加え、動画中心とした情報発信のSNS環境の進化、スタッフ育成におけるオンライン学習の導入、ECサイト市場の伸長に触れながら、ネット環境の変化による市場拡大の可能性を示した。

 その上で三宅社長は、「ネイルは約20年前まで流行の域だったが、現在は文化と認識されつつある。産業として根付くには、もっと日常化することが必須」と提言。同社が行なった消費者調査では、ネイルが特別な日に行うおしゃれという意識がまだまだ強く、ワンカラ―、ネイルケアやスパ、爪切りなど、身近なメニューの重要性を説いた。

 そのための提案として、クリエイティブによるネイルデザインのみならず、テクスチャー(質感)による表現を推奨。ネイリストとしてのストーリーを織り込んだこだわりのあるワンカラーなど、メニューの掘り下げを促した。

 さらに消費者の意識として、ネイルとともに手もきれいになりたい、サンダルを履く季節であれば、つま先・足元の相談など、トータルでのアドバイスを欲しがっていることにも言及。ネイルデザインだけでなく、手足に視野を広げたメニューが、ネイルの日常化に加え、ロイヤルカスタマーづくりに結びつくことを示唆した。

 マネジメント視点のキーワードとして三宅社長は「生産性の多様化」にフォーカス。物販や同時施術に加え、消費の傾向として挙げた、消費者のサロンン利用時間帯の変化を持ち出し、ニーズに合わせて営業時間を設定する時間マーケティングの有効性を唱えた。

 それらを実践するための未来を見据えた新業態サロンとして、このほどオープンしたpara spaサロン&ガーデンを紹介。フラッグシップサロンとして成功体験を積み、FC展開へと還元していきたいとの意向を示した。

 最後に、ネイリストのモチベーションを高めるイベントとして「paraフェス」を9月13日に開催することを発表。「スパ」「ワンカラ―」「アートネイル」「リアルサロン」の4部門のコンテントをリアルで開催するため、「万全の体制で臨みたい」と力強く宣言した。

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Hot Pepper Beauty Academy千葉智之アカデミー長

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VINGT NAIL 吉原雅美代表

 続くゲストプレゼンテーションでは、Hot Pepper Beauty Academyアカデミー長の千葉智之氏が、コロナ禍における消費マインドの6つのポイントについて解説。VINGT NAIL代表の吉原雅美氏が、ネイリストのシフトをマンスーマンからユニット制に改革したことで生じた効果について、体験談を語った。

 その後、ネイル指導者を表彰するEDUCATOR OF THE YEAR 2020 AWARDの受賞者が発表され、恒例の抽選会が行なわれて終了となった。