ヘアモード誌上コンテスト【1月号_審査結果】テーマ/カラーエクステをポイントにしたヘアデザイン
若手ヘアデザイナーの育成とスキルアップを目指し、厳しい視点での評価を行なっている「ヘアモード誌上コンテスト」。時代性、テーマ性、デザイン構成、モデルへの似合わせなど、投稿フォト作品をヘアモード編集部がさまざまな視点から厳正に審査する。
月間賞3回獲得で年間賞達成。現在リーチをかけている投稿者は、2021年に年間賞達成に名を連ねられるか。
【今月の課題】カラーエクステをポイントにしたヘアデザイン(ヘアモード2021年1月号)
【総評】エクステをベースとなじませつつ、テーマを意識できた作品が上位に
本来髪になじませるべきエクステをデザインのポイントとしつつ、自然で美しい仕上がりを目指さなければならない点が難しかったのではないでしょうか? エクステをアクセントとして考えたときに、ヘアカラーデザインとして楽しめるものと、エクステだからこそかなえられるデザインの2種類が想定できます。前者はベースとなじむことが前提なので、どの部分に、どれぐらいの幅、感覚でつけるのかで見える割合を調整しなければなりません。また、スタイリング次第で、エクステの束感が強調されてしまいます。今回は、後者のエクステならではのデザインがあまり見られなかったことが残念でした。
上位の作品に関しては、モデルの髪色や肌に合う色選びができており、カット次第で主張を強めたり、ベースとなじませるなど、エクステの見え方を上手くコントロールできていました。下位の作品は、髪へのなじませ方やカットデザインとのバランスが不自然なものや、エクステ自体の印象が弱いものが多かったです。
エクステはトレンドが反映されやすく、新しい打ち出し方でなければ、時代遅れなイメージにつながりかねません。次回は新鮮かつエクステだからこそ挑戦できるデザインも期待しています。
ヘアモード編集部 小林真紀、有本 彩、山田 翼
<佳作1位>
住吉沙耶香 資生堂美容室(東京都中央区)
資生堂美容技術専門学校卒(美容歴6年)
第一印象が「かわいい!」でした。エクステがモデルによく似合っていて、前髪やサイドの見せ方など、ナチュラルでとてもバランスの良い作品です。その一方で、ヘアデザインとしての主張が弱いように思いました。(小林)
モデルのお顔立ちや地毛の色に対するエクステのカラーの選び方と、その見せ方の分量など、バランスがとてもいいと思いました。エクステをつけた後のカット&スタイリングもとてもきれいでした。(山田)
言われなければエクステだと分からないほど、自然な仕上がりですね! 黒髪ベースにシルバーパープルのエクステがオシャレでモデルにもよく似合っています。ただ、あと半歩攻めてほしかった!(有本)
<佳作2位>
恩田 希 SHISEIDO(東京都港区)
新潟理容美容専門学校卒(美容歴9年)
カットラインでエクステの見せ方を工夫した作品ですね。黒髪にパープルのエクステがアニメのキャラクターのような印象でした。地毛のやわらかな動きに対して、エクステの動きが硬く感じられました。(小林)
ライン感の強い顔周りに紫色のエクステを配して、やや攻めた印象の強い作品。ギリギリのところで、バランスよくまとめています。バックはどうなっているのでしょうか? それによりまた印象が変わる気がします。(山田)
独自の世界観を展開する恩田さんらしい、エッジのきいたデザインがステキ! 姫カットをアクセントにしたベースカットが新鮮ですが、そこに配したエクステが若干なじんでいないように感じました。(有本)
<佳作3位>
原 かほり 資生堂美容室(東京都中央区)
群馬県美容専門学校卒(美容歴8年)
エクステならではの大胆な色選びとバングのデザインは、「どうやってつけているのか」と考えを巡らせた作品です。地毛とのなじませに再考の余地有りですが、とても素晴らしかったです。(小林)
異なる色のエクステを何層も(?)つけて、非常に凝った作品。色選びがかわいらしいです。インパクトがあって、テーマ性を良くとらえていると思いますが、フロントのエクステの束感の出し方は再考の余地がありそうです。(山田)
エクステと地毛が織りなす、前髪のレイヤードは、エクステでしかかなわない挑戦的なデザインですね! 色のチョイスやベースとエクステのなじませ方はもう一歩ですが、次世代の風を感じました。(有本)
<準佳作>
三河圭司 VISAGE(東京都港区)
ハリウッド美容専門学校卒(美容歴19年)
ウエービーでドライな質感に上手にエクステをなじませていますね。モデルの雰囲気ともよく合っていますが、もう一歩、エクステならではのアクセントが欲しかった。(小林)
塚原茉里奈 SHISEIDO(東京都港区)
東京マックス美容専門学校卒(美容歴3年)
ベースカットを生かして複雑にエクステを配したデザインに塚原さんのセンスの良さを感じました。左サイドの独立した長いエクステは前髪に合わせて切っても良かったかも?(有本)
中川まどか SHISEIDO(東京都港区)
高津理容美容専門学校卒(美容歴11年)
90年代っぽいテイストのエクステ使いですね。主張は少し弱いものの、リバイバル感があってオシャレなスタイルです。地毛部分のラフな動きに少し苦労の跡が見えました。(山田)
★吉川達朗 ANNABEL(京都府京都市)
関西美容専門学校卒(美容歴15年)
マッシュウルフに施されたカラーエクステが、どの方向から見てもアクセントとして効いていました。ただ、バックのマッシュの丸みが強調されすぎて、違和感がありました。(小林)
★★ 坂本朋広 VISAGE(千葉県市川市)
ハリウッド美容専門学校卒(美容歴16年)
さりげなく配されたカラーエクステが、良く言えばナチュラルで今っぽいのですが、悪く言えば主張が弱い。今回は、カラーエクステを主役にデザインを組み立ててほしかったです。(有本)
佐々木麻衣 佐々木美容院(岩手県花巻市)
盛岡ヘアメイク専門学校卒(美容歴16年)
エクステを地毛になじませていますが、色選びなどでもう少し主張をしたほうがテーマと合ったと思います。襟足はエクステで伸ばしたのでしょうか。少し違和感がありました。(山田)
xx
南舘麻衣 VISAGE(千葉県市川市)
山野美容専門学校卒(美容歴13年)
かわいくまとめられてはいますが、ベースとエクステの色がなじみすぎて、エクステをポイントとするには少々弱く、作品としてどこを見せたいのかが分かりませんでした。(小林)
佐藤はづき VISAGE(千葉県市川市)
東京ベルエポック美容専門学校卒(美容歴5年)
ベースとしたスタイルは、エクステが足されたことでステキになったか今一度考えてみてください。エクステの配し方を変えるか、カットベースから見直す必要があると思います。(有本)
石井秀明 資生堂美容室(神奈川県横浜市)
横浜商業高等学校別科卒(美容歴16年)
インパクトのあるカラーエクステを使った意欲的な作品ですが、前髪となじんでいるかというと疑問です。ベースのカットとスタイリングも要再考。(山田)
小市匡也 VISAGE(千葉県市川市)
早稲田美容専門学校卒(美容歴14年)
インパクトのある印象ではありますが、もっと全体のデザインや、それに対してエクステをどうポイントとしてつけるかなど、工夫できる点がたくさんあったように思います。(小林)
澤田純希 VISAGE(千葉県柏市)
国際理容美容専門学校卒(美容歴14年)
カラーエクステが、ベースとなじんでいないようでした。エクステはスタイリング方法によっては束感が出過ぎるので注意が必要。赤色のチョイスも再考の余地がありそう。(有本)
高瀬祐希 VISAGE(東京都中央区)
北海道美容専門学校卒(美容歴7年)
左右で異なる色のエクステを配するなど、工夫した様子が伺えます。ただ、どちらの色も主張というよりは「取り付けた」感が強く、ベースのカットと合っていませんでした。(山田)
木多成明 Atelier JD PARIS(東京都大田区)
専門学校岡山ビューティモード卒(美容歴8年)
左右の三つ編みがキャッチーですね。確かにエクステがポイントになっていますが、今回はヘアスタイルと一体となりつつ、程良く主張するエクステ使いを見たかった。(小林)
【2021年4月号のテーマ】ジオメトリック(応募締切1月19日(火)必着)
ジオメトリックは「幾何学的な」デザインのヘアスタイルを指します。
ラインの設定、フォルムバランス、面の表情などがデザインポイントになりますが、奇抜なものを求めているわけではありません。
時代性とモデルへの似合わせの視点を忘れずに取り組んでください。
ジオメトリックは硬さが強調されるデザインですが、やわらかさや軽さのあるイメージの作品もお待ちしています。
レングスは肩上までのショートスタイルとします。
モデルの制約でどうしてもウイッグを使用する場合は、モデルとヘアのなじみをシビアに追求してください。
誌上コンテストへの応募要項と応募方法
■応募資格 美容師免許を取得した方。
■システム
ヘアモード編集部による厳正な審査の結果、お送りいただいた作品のうち優秀と認められたものは、誌面にて寸評とともに掲載する。
12カ月を通して、月間賞を3回獲得された方は、年間最優秀賞受賞者として表彰する。なお、各月間賞の年間賞に対する有効期限は1年間。たとえば、2021年1月号で獲得した月間賞は、2021年12月号まで有効。
※応募者の名前の横についている★マークは、その方の月間賞獲得回数
※新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、既に月間賞を受賞している方の★の有効期限を2カ月延長します
■特典
年間最優秀賞受賞者は、新人ヘアデザイナーとして企画「THE DEBUT!」をはじめ、「ヘアモード」誌での活躍の場が優先的に設けられる。
■応募方法
1.モデルは女性に限る。
2.作品はバストから上を写し、服は写さない。ピアス、イヤリングなどの装飾品は使用不可。
3.写真はカラーに限る。また、背景は白か灰色で撮影する。
4.1作品につき、3枚以上。正面と左、右など、アングルに明確な差をつけ、髪がしっかり見えるものを。
◎紙焼きの場合
作品をキャビネットサイズ(2Lサイズ)にプリントし、①テーマ名 ②氏名・サロン名 ③住所 ④電話番号 ⑤卒業学校名(正式名称を明記)⑥美容歴(現在)を記入した別紙とともに郵送。
【宛先】〒107-0062 東京都港区南青山5-15-9-201
(株)女性モード社 ヘアモード誌上コンテスト係
◎データの場合
「紙焼きの場合」と同様の①~⑥を明記の上、作品データ(タテ2200ピクセル以上×ヨコ1800ピクセル以上)をzipファイルにまとめてメールに添付し送付。件名は「HM1 誌上コンテスト_(テーマ名)/作品送付/氏名(サロン名)」とする。
【宛先】mezase-gekkansyo@j-mode.co.jp