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浸透性ペプチドビタミンC誘導体を配合ヒト幹細胞培養液の化粧品原料「RS Liposome 3.0 Complex」が新発売‗アンチエイジング(株)

 2012年よりヒト幹細胞培養液を日本に導入、化粧品原料として提供を続けているアンチエイジング(株)(牛島美樹代表取締役)は、2021年1月より、ヒト幹細胞培養液の化粧品原料に浸透性ペプチドビタミンC誘導体「Pentide-C」を配合した複合原料「RS Liposome 3.0 Complex」の提供を開始することを発表した。

「Pentide-C」は浸透性ペプチドをビタミンCの活性部位に結合させ安定化したビタミンC誘導体。浸透性ペプチドの機能によって、皮膚に浸透し直接細胞にビタミンCを届ける。サイトカインによって細胞に指令を与えるヒト幹細胞培養液と、その指令を実行するために必要となるビタミンCを補うことで、大きな相乗効果が得られることが期待されている。

 美白やコラーゲン生成促進、抗酸化などの効果があるビタミンCは、水溶性であるため、そのままでは皮膚に浸透しせず、また、他の物質と反応し褐変など品質劣化を招くため、そのまま化粧品に配合されることは少ない。多くの場合、活性部位に何かを結合させ、安定化したビタミンC誘導体として化粧品に配合されている。

「RS Liposome 3.0 Complex」に配合されているビタミンC誘導体「Pentide-C」は、ビタミンCの活性部位に浸透性ペプチドを結合。その浸透性ペプチドが皮膚に浸透し、細胞にビタミンCを届ける機能を備える。

 こうした細胞への浸透性を持つペプチドはいくつか知られており、医薬品を体内に届けるドラッグデリバリーや、細胞への遺伝子導入のベクターとして研究されている。これらは細胞浸透性ペプチドCPP(cell-penetrating peptides)と呼ばれているが、「Pentide-C」はこのCPPの技術を化粧品原料として応用したものだという。

 通常のビタミンCは、ビタミンCトランスポーターという受容体を介して細胞に取り込まれるが、CPPに結合したビタミンCは受容体を介さず、直接細胞に取り込まれる。「Pentide-C」は低濃度下で、通常のビタミンCよりも、コラーゲンの生成促進や抗炎症などの効果が高いことが実験データとして確認されており、純粋なビタミンCよりも効果的に、その特性を引き出せるものと考えられる。

 さらに「Pentide-C」は、ビタミンCと浸透性ペプチドが、ペプチド結合によって安定。ペプチド結合は強固な結合なので、ビタミンCと浸透性ペプチドを確実に細胞内に届け、細胞に取り込まれたところで細胞内の酵素により結合が切れ、ビタミンCがフリーな状態で働きかけることになる。

 浸透性ペプチドによって細胞に取り込まれる「Pentide-C」と、リポソームによって皮膚に浸透するヒト幹細胞培養液は、互いに補い合い相乗的に働く、体感に優れた化粧品の原料として大いに期待されそうだ。

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