(株)ミルボンが自社ブランド製品の製造・流通情報を追跡する“トレーサビリティシステム”を開発
美容室向けヘア化粧品メーカーの(株)ミルボン(佐藤龍二社長)は、自社ヘアケア商品の「個体識別番号」「流通情報」「商品情報」を誰でも確認できるシステム『ミルボントレーサビリティシステム』を開発したことを、このほど発表した。
同システムは、 製品の購買者が入手した製品の信頼性を自身で確認することができるというもの。同社は6月10日(木)にグローバルヘアケアブランド“milbon”としての新ライン「PREMIUM Position(プレミアムポジション)」の発売を予定しており、システムの運用により正規品証明とアフターフォローを実現してゆく。
『ミルボントレーサビリティシステム』の概要
商品化粧箱に記載された2次元バーコードをスマートフォンのカメラアプリ等で読み取ることで、 誰でも商品の「個体識別番号」「流通情報」「商品情報」の3つの情報にアクセスできる。
「個体識別番号」とは?
商品一つひとつに付加される23桁の固有番号のこと。正規品である証だけでなく、万が一製品不具合があった場合の迅速な対応が可能になる。
「流通情報」とは?
[ミルボン工場→物流会社→販売される美容室]のように、商品流通経路の名称と所在が表示される。 流通時の取り扱いや保管状況などに対する購買者の不安を取り除く。
「商品情報」とは?
ブランドや商品の公式サイトへアクセスし、商品コンセプトや商品に関する有用な情報を閲覧することができる。
システム開発の背景
昨今の高級化粧品市場における模倣品 (※)や不透明な流通経路に対する問題意識が高まる中、自社商品に責任を持ち、消費者に安全・安心を保証することがメーカーとしての責務であるとの考えから生じたプロジェクト。実際にミルボンでは、同社の複数のブランドにおいて模倣品の存在が確認されており、自社製品の製造・流通情報の追跡を可能にするシステムを開発したことにより、商品パッケージを通じて購買者にとって有用な情報を届ることが可能となった。
※模倣品流通の状況について
特許庁によると、2017年度の日本の模倣品被害社数(全体推計)は11,643社(日本の産業財産権登録企業のうち7.0%)。また、OECD(経済協力開発機構)によると、2016年の世界の模倣品・海賊版(インターネット上の海賊版を除く)の流通額は、 最大5,090億ドル(約55.4兆円)に達する可能性があると推計されている(世界貿易額の最大3.3%)。―出典:経済産業省「模倣品対策とSDGs~模倣品の撲滅でSDGsの達成に貢献~」
ミルボンの製品も複数の国において模倣品が確認されており、デッドコピー品(商品形態の模倣品)は現在までに3ブランド、パッケージを模倣した商品は現在までに5ブランドで、事例が確認されているという。