タカラベルモント セールスフォーラム2021で、サロンの新たな体験価値創出を提言
理美容総合メーカーのタカラベルモント(株)(吉川秀隆会長兼社長)は、2021年の営業戦略を打ち出す「セールスフォーラム2021」をオンラインで開催。3月8日(月)~10日(水)の3日間、いつでも視聴できる形式で動画配信を行った。
冒頭のあいさつに立った同社・吉川朋秀常務取締役(写真上)は、今年10月に創業100周年という大きな節目を迎えることに触れ、取引先やユーザーなど、関係各位に謝意を表した上で、昨年10月に、新パーパス(企業目的)「美しい人生を、かなえよう。」を策定・発表するに至った経緯を説明。
「このワードを用いて、タカラベルモントが世界に何を発信し、何をすべきか、皆さんとともに考え、活動していく機会をつくっていきたい」と、業界をより明るくするための環境づくりに尽力していくことを宣言した。
また、9月27日(月)~28日(火)には、OMC世界理容美容技術選手権大会に合わせてTWBC(タカラ ワールド ビジネス コングレス))の開催を予定していることにも言及。「コロナ禍の状況に対するリスクマネジメントを考慮しながら、新しい時代に向けてのヒントを豊富に盛り込んだイベントにしたい」と意欲的に述べた。
以降、同社マーケティング担当の塚本里奈氏のナビゲートにより、営業方針の発表、新製品やエデュケーションの説明など、プログラムを進行した。
2021年の営業活動を打ち出すにあたり、まず、同社で例年実施している「生活者意識調査」での傾向を解説。2020年は、コロナ禍における在宅ワークや外出自粛長期化によって人々が「ストレス」「マンネリ」を強く感じており、その解消のため「リラックス」「気分転換」の願望が顕著化。
2021年は、緊急事態宣言の延長などの影響で、さらに「マンネリ」感が強まっていることから、新たな「体験価値」を得られるサービスを、消費者が欲していると分析した。
生活者調査の概要を説明するマーケティング担当の塚本里奈氏。
滞在型サービスで、コミュニケーションの機会が多いサロンは体験型サービスに適しているとの見解を示した上で、昨年同社が提唱した、サロンのサービスを非日常体験として設計する「ビューティアクティベーション」の2021年バージョンを改めて掲げ、顧客体験サービスの導入による価値のアップデートを促した。
提案においては、「コース」「ショート(時短)」「ホーム(ケア)」「イベント」「メンテナンス」の5つの組み合わせにより、顧客層に応じたプログラムを構築していくとの説明が行なわれた。
その後「ビューティアクティベーション」の実践サロンとして、神奈川県横浜市のurupool(カジ代表)と大阪府大阪市のDEAR BARBER(川村弘樹代表COO)2店の取材動画を披露。いずれも単にヘアスタイルを提案するだけでなく、非日常的な体験の提供やそれを実現するための取り組みから、顧客とサロンの絆を深め、顧客からの信頼度を高めている様子が伝えられた。
新製品紹介においては、ヘアカラー「エドル」、ヘアケア「シーソー」、スキンケア「モイ」など既存ブランドの新ラインやキャンペーンの紹介があった他、先般、毛髪科学の学会で同社が発表した「ips細胞の応用技術」や「メデュラケアテクノロジー」採用の新ヘアケアブランドおよびラインも、デビュー間近であることを告知した。
同社のルーツともいえるサロンチェアも100周年モデルを発表。スタイリングチェアとしては「N100シリーズ」がすでに披露されているが、今年5月には、1954年開発のロングセラーを同社の90周年にリメイクしたメンズチェア「クラシカ90」の100周年モデルを、100台限定で発売するという。
最後に、SNSを活用した教育活動の展開についても説明に加え、4月5日(月)から5日間、「タカラベルモント サロンフォーラム2021」をオンラインで開催。“世の中が変わる時、チャンスは生まれる~お客さまとの関係を変えるサロンの新しい体験価値とは?”のテーマで、当日の内容をさらに具体的にした提案が発信される。
タカラベルモント サロンフォーラムの主な内容。