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母になりたくない女性として

日頃から感じ、考えていることをこの機会に文章にしてみたいと思います。
専門家でも活動家でもありませんし、知識も人脈も何もありません。
いち女性として、声をあげてみます。

私は子どもが欲しくありません。
母になりたくもありません。
体はいたって健康です。転勤族の夫と2人暮らしで、貯蓄はまぁまぁ。
でも、子どもを欲しくありません。

結婚指輪をしているので、言わずもがな結婚していることは他者から見てわかります。次に来るのは、「お子さんは?」
最近はめんどくさいので、まぁそのうちに、と答えていますが、かつては「子どもを持つことは考えていません」と正直に答えていたこともありました。

子どもが欲しくないというと、ほぼ全員が「どうして?!」と聞き返します。
子どもが欲しいと言う人に対して、大抵の人は理由なんか聞かないのに、欲しくない人には信じられないと言わんばかりに聞いてくるのです。

だから私は反対に、「どうして子どもが欲しいとか、必要だと思うの?」と聞き返します。

大学生の頃、同い年の友人から返った答えは「将来お世話してくれる人がいないと大変だから」。
お世話してくれる人を自分で用意するってことなの?とさらに聞いてみると、「それだけじゃないけど、一番はそう」とのこと。
そして私が子どもを欲しくなるよう、こんこんと説得してきました。

20代半ばの頃、別な同級生から返った答えは「子どもは自分とパートナーのコピーみたいな存在だから」。
どうしてコピーが欲しいの?とさらに聞いてみると、「ここは彼にそっくり、ここは私にそっくりっていう合体みたいのが絶対面白いから!」と目をキラキラさせて。

父方の祖母は大正生まれで、兵隊に出て捕虜になっていた祖父に代わり、戦時中の実家を女手で支えた人だったそうです。
口癖は「家を絶やしちゃならん、お前か〇〇(弟)のどっちかが継がなきゃならん」。小さい頃からずっとずっと言われてきた、私にとっては呪縛のような言葉でした。
祖母にとっては、子孫を絶やさないこと=家を絶やさないことという重大ミッションだったのでしょう。
しかしながら、私はなぜ家を絶やしてはならないのかが理解できませんでした。祖母が言うには、「先祖が守ってきた土地だから」。これからの時代、何から守れば良いのでしょう。

そんな風にこれまでもらった答えに、私はなんだか納得できませんでした。そしてまだ、納得のいく答えに出会えていません。
他にも何人かに質問した記憶がありますが、何しろ数年前のことで。
大抵の場合、「結婚と出産はセット。子どもが欲しいから結婚するのだ。結婚したのに子どもを持たない選択肢は無い」というのに近い答えが中にあったのは覚えています。

同様に、私の答えに彼女らも納得できないようでした。
私の答えはシンプルに「欲しいと思わないから」。さらに細かく言えばもちろん色々ありますが。総じて言えばこの一言。
次に来るのは「じゃあ何故結婚したの?」。
え、それ、ほんとは関係無いよね? 

子どもが欲しくならない。欲しいという気持ちが湧かない。
このシンプルな答えのどこが、間違っていますか?

少子化対策とはつまり、もっと子どもを産み育てなさい!ということに他なりません。
女性の権利が声高に叫ばれ、不妊治療をするひと、妊娠中の人、育児中の人に優しく親切にしましょう!と皆んなが言う。
子どものいる人は大変!
子どもを産み育てるのは偉業!
確かに、とんでもなく大変なことは想像に難くありません。

では、子どものいない女性は?
誰か、そういう女性たちのことを考えていますか?

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