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英語の発音勉強で今更気づいたこと
ひょんなことからイギリス英語のRP(容認発音)の勉強をしようと思い至りました。
響きが好きなのと、Rを読まない(ことが多い)のが、ドイツ語をやっている人間からするととっつきやすいと思ったためです(簡単とは言っていない)。
今回は、そんな英語の発音勉強で今更気づいたことを書いていこうと思います。
「ゴリラ」と「ゲリラ」は同じ発音
昔のBBCのドキュメンタリー番組「The Adventure of English」を見ていた時に、
Alfred…discovered the arts of irregular warfare and mounted guerilla attacks against the occupying forces of…
という文が聞こえたのですが、一瞬、「え?ゴリラアタック?」と耳を疑いました。
調べてみると、同じ発音でした。
guerilla
UK/gəˈrɪl.ə/
gorilla
UK/gəˈrɪl.ə/
確かに、弱く発音される「o」や「e」と言ったスペルは曖昧母音(ə、シュワ)で発音されることが多いので、どちらの単語も「i」を強く読むことを考えると、結果として発音が同じになるのは納得しますが……
何か不思議な感じですね。
「ゲリラ」という言葉を聞くたびにゴリラのゲリラを想像しそうです。
「family」の「i」は発音しない
これも今更知ったことです。
「ファミリー」ではなく「ファムリー(UK/ˈfæm.li/)」。
「dictionary」も「ディクションリ(UK/ˈdɪk.ʃən.ri/)」と「a」を抜いて発音することも同時に知りました。(アメリカ英語では違うそうですが)
曖昧母音(ə)の後に「l」や「r」と言った音が来るときは、この曖昧母音が消えてしまい、結果として音節の数が1つ減ってしまうことがあるそうです。
確かに、「military」(aは曖昧母音)も「/ˈmɪl.ɪ.tri/」と、「ミリタリー」よりも「ミリチュリ」のように発音されるのをよく耳にします(これも、アメリカ英語では違うようです)。
calledとcoldは発音が違う
これは全くもって僕の勉強不足が原因です。
英語の母音には大きく分けて短母音と長母音がありますが、長母音の中にも更に、1つの母音を長く発音する母音と、2つあるいは3つの母音を継ぎ目なく1つの母音のように発音する母音(2重母音、3重母音)があります。
しかし、英単語をカタカナに取り入れた時、どちらも伸ばし棒「-」で表現されることが多く、カタカナ語からはこの違いが全く見えません(もちろんカタカナはそれ自体、英語の発音学習には不向きですが…)。
「call」の「a」は、「UK/kɔːl/」と、1つの母音「ɔ」を長く伸ばして発音します。まさに長母音って感じ。
アメリカ英語ではこの単語は「US/kɑːl/」。こちらも長母音ですが、「ɑː」が僕の耳にはどちらかと言うと「すごく口を開けた暗い『ア』」に聞こえるのに対して、「ɔ」はもっと「オ」寄りの音に聞こえます。
「called」は「UK/kɔːld/」となります。
一方で、「cold」の「o」は2重母音。イギリス英語では「əʊ」という音で、曖昧母音「ə」から口をすぼめて「ʊ」に持ってきます。
何とも表現し難いですが、僕にとっては典型的なイギリス英語の発音で、好きな音の1つです。独特の、明るく浅めに響く母音です。
アメリカ英語はもっと口を開けて「oʊ」と発音します。
英米の差はありますが、いずれにせよ「cold」(UK/kəʊld/)の発音は「called」(UK/kɔːld/)の発音とは異なります。
この違いをちゃんと意識して、聞き分け、発音し分けるだけでも、かなり聞き取りがスムーズになるのではないかな?と思いました。
むしろ、今までこれをちゃんと意識せずによく英語勉強してきたな……と反省しております。
「æ」の発音は英米で違う?
最後に、これもご存じの方であれば今更の話かもしれませんが、
「æ」の発音が、英米では微妙に違う気がしました。
「æ」は僕が好きなイギリス英語の音の1つです。
話を聞いていても、何かひときわ目立って聞こえる音です。
全然上手い表現が思い浮かばず、汚い例えで恐縮なのですが、
この音をイギリス人が発するとき、何か「気張っている」ように聞こえるんですよね。
硬く鋭く、ふんっ!と力を入れた感じの「ア゛」に聞こえます。
あまり「ア」と「エ」の混合には聞こえないんです。
対するアメリカ英語の「æ」は、「ア」と「エ」を同時に発音している感じで、若干イギリス英語のそれよりも長めに聞こえます。
イギリス英語の方はスタッカートでもついているかのように短いです。
同じ発音記号を使っているので同じ音なのかな?と思うのですが、何か違うように聞こえますね。
なお、「気張ってる感じ」という意味では、アクセントの落ちる「e」の音も気張って聞こえます。
最初、喉を締めているのかな?と思ったのですが、日本語の「あ」から舌を前のほうに持ってきたら「æ」っぽい感じの音になったので、舌の位置が原因なのかもしれません。
以上です。
これからも発音を勉強して気づいたことを、素人目線の感想になりますが記事に書いていこうと思います。