見出し画像

フランス語の余韻

フランス語を聴いていると、文の最後の子音を発音する時に、子音だけでなく若干母音が混ざった状態で、

「ふっ・・・」

と終わらせて発音しているのに気づきます。
フランス語特有の、文末の余韻です。

何かの文学作品で、このフランス語の特徴的な語尾の子音の発音について言及している作品があったのですが、どの作品だったか忘れてしまいました。

でも、その作品を読んでから、フランス語の音声を実際に聴いてみたら、この音のことを言っていたんだとすぐに分かりました。

それから、FRIの「Journal en français facile」を聴いていた頃です。

この「Journal en français facile」も、

「ジュルナーランフランセファシ―・・・ルッ」

のように、(表現が悪いですが)ねっとりとした言い方で発音するキャスターが多い印象でしたが、

その中でも一人、男性キャスターで(名前を忘れてしまいました)、この文末の余韻が際立つ方がいらして、その方が話すといつも内容ではなく彼の発音に気を取られていたものです。

「Bonjour à toutes et à tous」というお馴染みの挨拶も、

「ボンジュア トゥッゼア トゥッ・・・スァッ・・・」

と、長い溜めがあってから発音していました。

「・・・スァッ・・・」って何なんだ、と最初聴いたときは衝撃でした。

妖艶という言葉を男性に使うのが果たして適切なのか定かではありませんが、これがフランス語がセクシーに聞こえる要因の一つなんだろうなと思います。

ただ、やり過ぎは、聞いている側としてはしんどくなります。

それでも私は、これこそがフランス語の子音の発音の仕方だと思って、フランス語を自分で読み上げるときは自分もこのように発音していました。

が、一度フランス語の判る日本人の知人に録音を聴いてもらったところ、

「ドイツ語が専門で良かったですね」

と一言。

要するに私の発音は卑猥で聞くに堪えなかったということです。

これではいけない、発音を矯正しなければ。

確かに自分で自分の声を聴いてみると、私は子音に母音を半分くらいつけているつもりでも、音ではほぼ完全に「ウ」の母音が聴こえていて、フランス人のする「母音半分」の発音っぽくは聞こえませんでした。

「ん」以外はすべての音節が母音で終わる言語(日本語)を母語として話す私は、子音だけを発音しようとしても、恐らく無意識のうちに母音をつけてしまっているのだと思います。

結果、意識して母音を半分だけつけようとすると、つけ過ぎになってしまう。

それに気づいてから、むしろ子音で終わる場合でも英語のように子音だけを残すような発音を心がけてみたところ、

フランス人のあの子音の抜き方に自分の発音を近づけることができました。

つまり、自分が子音を発音していると思っているぐらいでちょうど良いということです。

それにしてもフランス語のあの発音の仕方は特徴的です。

他にも、子音ではなく「i」で終わる場合には、「ッヒ」という感じで息が抜けますよね。

「midi」は「ミディ」ではなく「ミディッヒ・・・・」みたいな感じで。

あれはドイツ語の「ch」みたいで面白いなと思っています。
ただ、この音ももしかすると必要以上に「ッヒ」と発音してしまっている可能性大です。

こんな感じで、決してふざけているわけではなく、至って真面目にフランス語の学習を続けています。