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【英語】【漢字で覚える句動詞】in【入】【囲】

こんにちは!
今まで、ドイツ語の「分離動詞」「非分離動詞」と呼ばれるタイプの動詞の「前つづり」についての記事を色々と書いてきました。

これについては今後も続けていきますが(前つづりが非常に多いので…)、英語の句動詞でも似たようなことができないかなと思い、

始めてみることしました。

最初に断りを入れますと、私は英語学を修めた人間ではないので、大半が「こじつけ」で書いてあります……。

受験勉強での語呂合わせのように、学術的な正確さより覚えやすさ・学びやすさを重視しようと思った結果こうなりました。

さて、初回ということで、そもそも「句動詞」(phrasal verb)とは何かですが、

「動詞+副詞」または「動詞(+副詞)+前置詞」によって構成され、特別な意味を生じ、まとまって1つの動詞のように機能する定型のフレーズ。

Wikipediaより

例えば「look after」「get off」「give in」「hold on to」など、元々の動詞からは意味が想像しにくい動詞たちのことです。

学校英語では「熟語」の一環で教えられることが多いかと思います。

英語では、このように「動詞+副詞」(get off, give in)と「動詞(+副詞)+前置詞」(look after, hold on to)を同じ「句動詞」という括りで整理しますが、

この記事では「動詞+副詞」のみに注目しようと思います。

個人的には、句動詞は、動詞部分は脇に置いて、「副詞部分」と「目的語/主語」の関係を見た方が分かりやすいと思っています。

「入」in:(ある場所、ポジション、議論、仕事等に)入る、加わる

例えば今回扱う副詞「in」ですが、

句動詞では、「ある場所に入る」という「入」の意味で使われることが多いです。

例えば、
「come in」は、「部屋に入る」という意味です。

The president came in.

と言えば、「大統領/社長は部屋に入ってきた」となります。

この時、「主語」と「副詞」の関係を見ると、

the president = in
大統領 = 中に入った

という関係が成り立ちますね。

comeは単に「どこか別のところから話し手のいるところにやってくる」という、「移動」を表すだけの動詞なので、

正直句動詞の意味を考えるときにそれほど重要ではありません。

重要なのは、「動作をした結果、どうなったの?」という「結果」の部分。

この「結果」の部分を表しているのが「副詞」の部分です。

ちなみにこの動詞では、「『どこに』入ったの?」という部分が抜けていますが、

逆に言えば、どこに入ってきたかが自明で(文脈などから)、わざわざ説明する必要のないときにこの動詞が使われるということですね。

この動詞には派生的な意味で「(試合、仕事、討論などに)参加する」という意味がありますが、これも「入」という点では同じです。

戦争に参加するかどうかという文脈で、

America won't come in.

と言えば、

「America は in しない」、つまり「アメリカは参戦しない」となります。

このように、

自動詞:主語 = in(動作の結果、主語がどこかに入った状態になる)
他動詞:目的語 = in(動作の結果、目的語がどこかに入った状態になる)

という関係を押さえておけば、動詞部分の意味はそこまで重視しなくても、そして、仮に句動詞が辞書に載っていなくても、意味は予想できます。

他にも、ピンチヒッターとして誰かの代理を務めるときには「stand in」を使いますが、

I stand in for my colleague. (同僚の代理を務めることになった。)

これも、「in」は「あるポジションに入る」という意味と捉えると、

I = in (私=ポジションに「入った」状態になる)

という関係があることが分かります。
これが分かると、正直何で「stand」なのかは、あまり気にならなくなりませんか?

意味の半分以上が「in」にあるためです。

「句動詞は元の動詞からは意味が想像できない」とよく言われますが、

まさに意味の重点が「副詞」の方にあるからこそではないでしょうかね。

なお、「どこに?」というのを付け足して説明しないといけないときは、前置詞を使って付け足します。

「話に割り込む」という意味の「cut in」は、「素早く動き(cut)、その結果、話に入る(in)」という意味で、

He cut in.

だけで「彼が割り込んできた」という意味になりますが、

「どこに?」の部分を説明したいときは、「on」を使って、

He cut in on us/our conversation (私たちの会話の邪魔をした)

となります。

あたかも「in on」と前置詞が2つ並んでいるかのように見えますが、それぞれ別々の役割を持っているわけですね。

他の動詞を例として挙げていきます。

go in:中に入る(come inとは違い、話し手から離れていく)
get in:駅に到着する
move in:引っ越す
give in:【自】降参する(主語が相手の元に入った状態になる)
    【他】提出する(目的語を相手の元に入った状態にする)
take in:取り入れる、受け入れる、理解する、信じ込む(目的語を何かの中(=部屋、学校、職場、頭など)に入った状態にする)
turn in:提出する(目的語を相手の元に入った状態にする)、[turn oneself inで]自首する(自分を警察の手に入った状態にする)
let in:入れる(人、物を何かの中に入った状態にする)
[for 面倒事]~を[面倒に]巻き込む、[on 物事]~に[物事]を打ち明ける

「囲」in:囲む、迫る、囲い込む

もう1つの「in」の意味は、「何かを囲む、何かに囲まれる」という意味の「囲」です。

「囲い込む」「閉じ込める」のように「~込む」という日本語とも繋げられなくはないので、上の「入」の意味の1つと考えても良いと思います。

これは、例えば「close in(忍び寄る、囲い込む)」「zoom in(ズームインする(←画面に入れ込む)」などがあります。

「close in」も、「cut in」のように、「どこに?/誰に?」ということを付け足したい場合は、前置詞を付け足します。

Langdon sensed the walls were closing in on him.
(ラングドン教授は、四方の壁が自分に迫ってくるように感じた)

「close in on 人/物」と一緒くたに覚えた方が効率が良い時もありますが、この「in」と「on」は別々の役割を果たしています。

すっかり長くなってしまいましたが、こんな感じでこれから色々な「動詞+副詞」の句動詞について記事を書いていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

【画像】Richard Woollettさま【Pixabay】