【ドイツ語】格変化の覚え方【形容詞編】
暗記のコツは、覚える部分をとにかく減らすこと!
ドイツ語の形容詞の格変化は,思っているほど複雑ではない。
暗記で大事なのは,「暗記すべき部分を極力減らす」ということだ。これを合言葉に,以下のとおり考えていきたい。
まず,ドイツ語の形容詞の格変化の全体像を見ていこう。形容詞の格変化には,大きく分けて,
の3つの種類がある。
(1)無冠詞の場合
(2)定冠詞(類)の後に続く場合
(3)不定冠詞(類)の後に続く場合
これだけ見ると,覚えなければならないことの多さに辟易してしまうかもしれない。
しかし,ご安心を。
形容詞の格変化の8割は覚える必要はないからだ。
形容詞の変化は「-en」が基本と覚える!
通常,形容詞の格変化は,上記に紹介した(1)→(2)→(3)の順番で学ぶが、ここでは敢えて逆に,最初に(3)不定冠詞(類)の場合を覚えることをオススメする。
そして,最初にしっかりと頭にたたき込むべきことは,
ということだ。
え?と驚かれる方も多いだろう。上で見た活用表はあんなに複雑そうだったのに。繰り返しになるが,暗記で大事なのは,暗記すべきことを極力減らすことだ。そのためには,表の中で何度も出てくる同じ形を「基本形」として理解し,それから外れる部分だけ覚えるのが効率的だ。逆に言えば,「活用形が分からなかったら語尾にenをつける」と考えることにすれば,大体の場合OKということだ。
その上で,もう一度「不定冠詞(類)」の場合の形容詞の格変化表を見てみよう。
驚くことに,16ある格変化のパターンの中で,語尾がenで終わるのは11もある。つまり,約7割の確率で語尾をenとして形容詞を活用させれば,正しいということになる。
次に注目してほしいのが,覚えるべき5つの活用形のパターンだ。
女性形と中性形、そして複数形で,1格と4格の形が同じということに気づかれただろうか。
1格と4格が違うのは男性(単数)形だけ。極論すれば,「1格=4格」と整理してしまって良い。
これで覚えるべきは,男性1格,女性1格(=4格),中性1格(=4格)の3つだけ,ということになる。
定冠詞(類)でも,基本は「-en」と覚える!
次に定冠詞(類)の後に続く場合だが,この場合も先ほどと同様,「迷ったら語尾にenをつけろ!」という規則を適用し,覚える必要のない部分をオレンジ色で塗ってみる。
このオレンジ色で塗った部分,実は先ほどの「不定冠詞(類)」の場合の形容詞の活用の際に塗ったマス目と見事に一致する。
そして、覚えるべき箇所(=白い部分)も、「不定冠詞(類)」と同様に、男性1格,女性1格(=4格),中性1格(=4格)の3つだけ,ということになる。
無冠詞の場合は、新たに覚える必要はナシ!
最後に無冠詞の場合だが,これはdieserの活用形が頭に入っていたら、ほとんど新たに覚える必要はない。
なぜかというと,dieserと活用パターンが違うのは,以下のとおり,わずか1つだけなのだ。
無冠詞の場合の形容詞の活用でdieserと違うのは、男性2格だけだ。
率直に言って,男性2格という形は,実際は使う機会はほとんどない。だからこそ,ドイツ語が得意な人でも,ネイティブでも,間違えることは非常に多い。
ネイティブも以下のように間違えてしまうことがよくあるくらいだ。
似ているからこその落とし穴と言えるが、先に書いたように、無冠詞で男性2格だけを使うことはあまり多くないので、混乱するくらいなら最初はあえて覚えない方が良い。
以上のとおり,形容詞の活用形を説明してきた。
まずは、語尾は「en」とする、という基本規則を頭にしっかりと入れてから、規則から外れる部分だけを暗記するのが効率的だ。
ドイツ語学習の際に,少しでも参考になればと思う。