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ドイツ語の時制の全体像
こんにちは!
ドイツ語の動詞の勉強を始める前に、一度その全体像を見てみたほうが学習が捗ると思いますので、今回はドイツ語の時制の全体像を見ていきたいと思います。
分かりやすくするために文法用語をあまり厳密に使っていないところもありますが、ご了承いただけますと幸いです。
さて、ドイツ語の動詞の勉強の話をする前に、少し英語の動詞を思い出してみたいと思います。
英語の動詞にはどんな時制があったでしょうか?
現在形、過去形、未来形。
それから、それぞれに進行形がありますね。「ing形」と呼ばれるものです。
それから、完了形というのもありました。
さらには、その2つを組み合わせた完了進行形なんてのもありました。
あとは、仮定法なんてものもありましたね。
仮定法を除いて、以上をまとめると、以下の図のようになります。
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英語では時間軸3×パターン4の12種類の時制を使い分けているわけです。英語の時制って結構複雑ですよね。
では、ドイツ語の時制はどうなっているのでしょうか?
ドイツ語の動詞の時制も、基本的には英語と似た枠組みを持っています。
ただ、英語ほど複雑ではありません。
例えば、英語にあってドイツ語にはないものが存在します。
それは「進行形」です。
ドイツ語には「現在進行形」や「過去進行形」はありません。
では、どうやって表現するのだろう?と思うかもしれません。
英語の「現在進行形」は、ドイツ語では「現在形」が表します。
例えば、ドイツ語の現在形を使った次の文を見て下さい。
Ich lerne Deutsch.
これは、「I learn German.」をドイツ語で言ったものですが、
「I am learning German.」も意味することができます。
取りあえずは、「ドイツ語には進行形はないんだ」と押さえておいてください。
「進行形」がないので、「完了進行形」も存在しません。
これも「現在形」で代用します。
従って、先ほどの例文に少し手を加え、
Ich lerne Deutsch seit einem Jahr.
とすると、「I have been learning German for a year.」という、英語の現在完了進行形に相当する文が作れてしまいます。
ということで、
基本的に、ドイツ語の時制は次の6つで全部となります。
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ずいぶんスッキリしていると思いませんか?
基礎の基礎はこれで充分ですが、
将来的にドイツ語を使いこなすためには、もう少し覚えることがあります。
それは、英語の「仮定法」にあたる動詞の形です。
ドイツ語では「接続法」という別の文法用語を用います。
一見難しそうですが、実はドイツ語の接続法は、使い方を覚えるとそれほど混乱しません。
ドイツ語の「接続法」には「I式」と「II式」という2種類があります。
なぜかローマ数字を使います。
そして、そのそれぞれに「現在」「過去」があります。
接続法の場合は「現在形」「過去形」とはあまり言いません。
「接続法未来」もあるにはありますが、習わない場合がほとんどですし、
習わなくても理解できるようになります。
つまり、ドイツ語の接続法には、
「I式現在」「I式過去」「II式現在」「II式過去」
の4種類が存在するわけです。
なお、使われる頻度としては「II式」のほうが「I式」より多いです。
このように見てくると、ドイツ語の時制は、接続法を含めても、
「現在形」「過去形」「未来形」
「現在完了形」「過去完了形」「未来完了形」
「I式現在」「I式過去」「II式現在」「II式過去」
の10種類しかありません。
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どうでしょうか? 多くて覚えられなさそうですか?
実は、ドイツ語の時制の多くは、助動詞の組み合わせで作られます。
そのため、ルールさえ覚えれば、規則的に形を作りだせる時制が多いです。
英語でも、現在完了形や過去完了形では助動詞「have」の変化を覚えれば、あとは動詞1つひとつの変化形を覚える必要はありませんでしたよね。
ドイツ語もその点は非常に英語と似ています。
そこで、丸暗記が必要なものだけを取り出してみると、次のようになります。
「現在形」「過去形」
「I式現在」「II式現在」
たったこれだけです。
ビックリするかもしれませんが、動詞の活用表を暗記しないといけないのは、この4つの時制だけなんです。
しかも、「I式現在」は「現在形」に、
「II式現在」は「過去形」に、形がとてもよく似ています。
さらに、「過去形」はドイツ語では英語ほどは使われません。特に話し言葉では「現在完了形」で代用されます。
その現在完了形も「助動詞の現在形+過去分詞」から作られるため、丸暗記は不要です。
となると、、、実際に丸暗記が必要なのは、
「現在形」
だけ・・・となります。
原点にして頂点、と言いますか、
ドイツ語学習の一番初めに学ぶ「現在形」の変化をしっかりと覚えれば、
その後の時制の変化は現在形の形を応用するだけ、となります。
それでは、規則動詞「lernen」を例に現在形の活用形を見ていきましょう。
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大事なのは、動詞の「語尾」の変化を覚えることです。
語尾とは、動詞の最後の「-en」または「-n」の部分(「e」がない場合)を指します。
ちなみに、語尾を取ったあとの「lern-」の部分は「語幹」と言います。
単数から複数へ、1➡2➡3人称と語尾を見ていくと、
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となります。
まずはこの6つの形をしっかり覚えることをおススメします。
6種類あるかと思いきや、同じ語尾を持っているところもあり、
種類は全部で4つなんですね。
これを覚えた上で、次に「過去形」の語尾をご覧ください。
先ほど申し上げた通り、過去形は話し言葉ではあまり使われないのですが、知っておくと過去分詞や接続法II式を学ぶ際に役立ちます。
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今度は、語幹「lern-」と語尾の間に「te」が挟まっています。
これが「過去」を表すマークになっています。
英語の「lern」も、過去形に「lernt」という形がありますね。
この「lernt」の「t」も、過去を表すマークです。
再び、単数から複数へ、1➡2➡3人称と語尾を見ていくと、
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となっていますね。
1人称単数と3人称単数から語尾が消え、
1人称複数と3人称複数は「-en」から「-n」になりました。
もっとも、「te」を足すと、「-ten」となるので、見た目には「-en」が残っているように見えます。
現在形の語尾変化と比べてみると、パターンが見えてくると思います。
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前述のとおり、
接続法の「I式現在」は「現在形」に、
「II式現在」は「過去形」に少しだけ手を加えたものです。
そして、過去形の語尾も、現在形の語尾を基にすると覚えやすいです。
つまり、まずは「現在形」で語尾変化をしっかりと覚えさえすれば、
そのパターンを他の時制にも応用することができるのです。
こうしてみると、動詞の変化形について言えば、ドイツ語は決してそこまで暗記項目が多くはないと言えます。
以上が、ドイツ語の時制の全体像でした。
少しでも参考になれば幸いです!