【ドイツ】外国人局という難敵
アウスレンダー・ベホェルデ。
「外国人局」や「外人局」と呼ばれるドイツの役所の名前です。
留学や仕事でドイツに長期滞在する人であれば幾度となくお世話になる、そしてあまり関わりを持ちたくないお役所です。
ただ、私はこれまでそんなに外国人局で嫌な思いをしたことはありません。
ハイデルベルクの外国人局の担当者はとても親切で、「このビザを取ったほうが良いですよ」とか「こちらのほうがお得です」みたいな話を積極的にしてくれましたし、困っていたら代案を出してくださり、優しく柔軟に対応してくださいました。本当に感謝しています。
ただ、フランクフルトに引っ越してきてから、外国人局の理不尽な対応を周囲から聞くにつれて、どうもこちらがドイツ語で受け答えできるかどうかが外国人局側の対応の差となって表れているように感じ始めたのです。
フランクフルトで最初の労働ビザ更新のとき、周りから「フランクフルトの外人局は英語で話すと無視されるし書類処理も後回しにされる」などと散々な評判を聞いていたので、「ここはハイデルベルクやフライブルクとは違うらしい」と身構えてアポに臨んだところ、
恐ろしく早口だけれどとても気さくな方が対応してくださり、冗談を交わしたり、次の更新に向けたアドバイスをもらったりと、終始和やかな雰囲気で、正味15分ほどで終わってしまいました。
恐ろしく早口でしたが。
職場を抜けて30分ほどで戻ってきた私を見て、同僚たちが衝撃を受けていました。
やはりどうも、ドイツ語が話せるというのでだいぶ待遇が変わるようです。
外国人局、それで良いのかって思うのですが、これがドイツの現実です。
外国人局というのに、英語が苦手な人がそもそも多いんですよね。
私を含めて「ドイツ人は英語が上手」と言う人は多いですが、それは外資系だったり外国人と付き合いの多い人に限ってのこと。
外国人局は他の企業に劣らず外国人と接する機会が多いのですが、
外国人局は英語があまり通じないようです。
ドイツ語は英語に最も近い言語のひとつなので、個人的には、(英語とあまりにかけ離れた日本語を母語とする我々とは異なり)英語が苦手なのは単純に本人の努力不足だと(手厳しく)判断しているのですが、
地方公務員にはそこまで高い英語力が求められないのでしょうか。。。
元役人の私でさえビックリするくらい、ドイツの行政サービスは酷いです。
私は、運よく渡航前にドイツ語を集中的に勉強することができました。C1を持った状態で渡独し、2か月後には運よくC2の一部の試験に合格でき、外国人局での応対も最初からドイツ語でした。そう言う意味では苦労が少なく今までやって来られた、かなり恵まれたほうなのだと思います。
これからドイツで働きたい、勉強したいと思っている方。
可能であれば、渡独前にドイツ語を勉強してきてください。
「ドイツでは英語が通じる」は、半分真実で、半分虚像です。
職場の同僚や大学の学生や教員など、皆さんの滞在の表舞台で出会う人たちは、大半が流暢な英語を話す人たちだと思います。
が、私たちの生存に関わるような重要なやり取りをする人たちの中には、英語が通じない人が多いのです。
何だったら、お医者さんもろくに英語が話せない人が少なくないそうです。
なので、可能であれば、ある程度ドイツ語ができるようになってから渡独するのを強くおススメします。
恐らく生活の質がだいぶ変わり、経験しなくて良い苦労を避けることができるはずです。
もし、ドイツ語を勉強せずにもう渡独してきてしまったというのであれば、本気でドイツ語に取り組んだほうが良いと思います。
生活上のストレスは、自分の本業に少なからず悪影響を与えるからです。
また、ドイツの場合は、行政サービスや普通の企業のサービスを問わず、「対応する人による」これが鉄則です。
「そんなの知りません」と言われてもめげてはいけません。
彼らは、自分たちが知らないことを平気で「知りません。存在しません」と言ってのける人たちで、自分で調べなおそうともしません。
そんな時は、ひるまずに別の人に対応を求めてください。
日本のマニュアル的接客が懐かしくなるくらい、ドイツのサービスは各個人によって大きく差が出るからです。
「知りません」と言った人に存在を伝え、仮にそれが正しいと相手に伝わったところで、「へえそうなんだ。知らなかった」と言われるだけで、こちらのエネルギーが削がれるだけです。
あとは、これは万国共通かもしれませんが、面倒臭い客になると、結構言うことを聞いてくれます。
日本人は相手が強い態度に出るとどうしても引いてしまうと思うのですが、驚くべきことに、ドイツ人の場合、その裏に悪意がないことが大半です。
なので、相手から強い言い方をされても、ひるまずに、相手の目をしっかりと見て、こちらも強い態度で言い返すと、相手はそのうち言うことを聞いてくれるようになります。
ドイツにいると大動脈が何本あっても足りないと思うことがありますが、まあ、逆に言えば、引かなければ、ゴネれば、相手は対応してくれますし、お人よしの我々日本人が後日一人反省会を開いて反省するほどには、相手は根に持っていません。そもそもが他人に興味がなく、できることなら仕事はしたくない、というのが彼らのスタンスだからです。
とは言っても、私も気が弱いので、よっぽどのことが無い限り強い態度に出られないのですが・・・。
全く、ドイツ人が日本人と似ているなんて一体誰が言ったんだ。
日本人がドイツ人に抱く、仕事熱心、真面目、完璧主義、時間に正確、と言った美徳は、恐らくドイツ人が21世紀になっても未だに日本に対して抱いている「芸者と忍者の国」というイメージと似たり寄ったりです。
幻想なわけです。
怠惰とは言わないまでも、大抵の場合は日本の基準で測ると基準を満たしていません。
以上のように、外国人局を話のネタにしてドイツのサービスの悪さについて語ってきましたが、個人的には、本当にドイツのサービスの酷さを味わいたいのならボー○フォンと契約をすることをおススメします。
渡独当初、○ーダフォンから受けた数々の仕打ちで、私は暫くドイツが大嫌いになりました。しかし、ボーダフォ○のあの「素晴らしい接客対応」を乗り越えられたからこそ、今の自分があるんだなと思います。
あ、本気で携帯会社にお困りの方には、プリペイドのSIMカードをおススメします。
長々と話してしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました!!
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