こんにちは!
昨日、AJRの「World's smallest violin」という曲を今更ながら知り、何度もリピートして聞いているのですが、
既に出ている和訳を見ていて、少し違和感を覚えましたので、記事を書くことにしました。
(というよりも、この記事は、自分でこの曲を訳してみた際につけた、長い「追記」の更なる延長となります……)
それこそ、誰かに「世界最小のバイオリン」を演奏されそうな予感。
そう、ここで書こうと思うのは、まさにこの曲のタイトルである
「World's smallest violin」です。
これを「自分の恵まれない境遇の愚痴を言うこと」と解釈する訳があります。
最初に申し上げますと、私は、この歌詞については、その解釈はアリだと思います。
ただ、英語で見つかる成句が、この意味ではない。むしろ真逆。
「英語ではそういう意味なんです」というコメントもネットで見たので、
翻訳好き、語学好きの人間としては、
どの辞書に書いてあるか、教えてほしい! お願いします!
それが、違和感の原因です。
手元にイディオム辞典等がないので、肝心のところが調べられないのが残念ですが、ネットで見つかる限り見ていきたいと思います。
(日本語は私の和訳です)
まずは、the free dictionaryから。
次に、WorldSense Dictionary.(Wiktionaryにも同じことが書いてあります)
次に、Urban Dictionary.
4つ目。これはTikTok関係の記事ですが、
そして最後に、tvtropes.
ざっと5つ挙げましたが、いずれも共通しているのは、
「バイオリンを弾くのは聴き手」
「聴き手は話し手の泣き言・愚痴にうんざりしている」
「話し手の愚痴に共感していないことを示すために、バイオリンを弾く」
という点です。
「バイオリンを弾く」は、「愚痴を言うこと」ではなく、「苦しんでいる人を慰める」ためにすることですが、
サイズが「世界最小」であるところに、「あなたを慰める気なんてこれっぽっちしかないよ」という、聴き手のうんざりした気持ちが表れています。
そのため、愚痴を言う側の人が「僕は世界最小のバイオリンだけど聞いてくれないか」と自虐している、と捉えることはできないのです。
愚痴を言う人≠バイオリン です。
これを見ると、AJRの「the world's smallest violin」をこの成句で理解するのには無理があります。
あの歌詞は、
「僕の辛い境遇に耳を傾けてくれる人なんていないけれど、1人で良い、君だけでも良いから聞いてくれないか」
と理解した方が腑に落ちるからです。
そのため、個人的には、AJR独自の比喩なのではないか?と思いました。
既にある表現を、立場を真逆に解釈するというのは、斬新ですね。
そんな偉そうなことを言う僕自身、英語の成句には詳しくなく、今回も結局OxfordやWebsterといった大御所の辞書ではヒットしなかったので、もしかすると本当にこの歌詞通りの使い方があるのかもしれません。
それがあったら、どなたかに教えて頂きたいです。。。
長くなりましたが、ここまでお読みいただきましてありがとうございました!
(一応、お目汚しですが拙訳を張っておきます…)